雑談掲示板
- 日時: 2016/03/10 17:06
- 名前: 翼の勇車 (ID: qXrd4tL6)
MH4掲示板より続くモンハン小説スレ五代目です!
内容は題名の通り、この場所ではMHXに限らずモンハンの二次創作小説を書いてください! 勿論初めての方でも初代から書いてくださってる方でも大歓迎です!
過去シリーズリンク
初代
ttp://mh4g.com/bbs_talk/index.cgi?mode=view&no=49
二代目
ttp://mh4g.com/bbs_talk/index.cgi?mode=view&no=828
三代目
ttp://mh4g.com/bbs_talk/index.cgi?mode=view&no=977
四代目
ttp://mh4g-cap.net/bbs_talk/index.cgi?mode=view&no=18
書く時は必ず話数を記入してください。
本スレで作品を書いている、或いはこれから書こうと思っている方へ――ダブルサクライザー様より >>36
↓以下作品目次
―――――
◆クロスオーバー
〜やはり俺の行いは間違っていない〜(ダブルサクライザー様×翼の勇車)
目次>>279
―――――
◆ダブルサクライザー様の作品
○モンスターハンター 短編小説シリーズ
目次 >>280
○モンスターハンター 〜星屑の瞬き〜
目次 >>281
―――――
◆smash様の作品
○〜巨大都市バルバレ 発展までの過去〜シリーズ
目次 >>282
―――――
◆モンモン様の作品
○〜見つからないもの 探す者〜
目次 >>283
○本の中の旅人達
目次 >>284
―――――
◆創造神ゼウス様(vista様)の作品
○ユクモ村歴戦記シリーズ
目次>>285
―――――
◆EXTENDED様の作品
○世界を旅せし狩人〜狂竜病を滅ぼし者〜
目次 >>286
○もうひとつの物語
目次 >>287
―――――
◆翼の勇車(スレ主)の作品
○モンスター&ハンター
目次 >>288
―――――
◆ゆるふわ様の作品
目次 >>289
―――――
◆紅蓮丸様の作品
○~とあるハンターの狩人記録~
目次 >>290
―――――
◆一方通行様の作品
○モンスターハンター 〜狩人としての責任〜
目次 >>291
―――――
◆青空様の作品
○ハンター達の目的
目次 >>292
―――――
◆クルセイダー様の作品
○ハンターズアドベンチャー 〜エピソード クロス〜
目次 >>293
―――――
◆名無しのパワー様の作品
○モンスターハンター 〜猛者たち〜
目次 >>294
―――――
◆かにゃえ丸様の作品
○〜死に行く者の背中〜
目次 >>295
―――――
◆羽衣様の作品
○モンハンクロス 『爆殺厨と闘う騎士団』
目次 >>296
―――――
◆こんがり肉様の作品
○「 狩人の証」
目次 >>297
―――――
◆猫好き様の作品
○モンスターハンター 〜煉黒の燭〜
目次 >>298
―――――
更新>>299まで
- 日時: 2016/02/19 23:46
- 名前: クルセイダー (ID: Wzyan5I4)
ここからオリジナル要素が出てきます。苦手な方はお控えくださいm(_ _)m
テスト勉強がダルすぎるクルセイダーであった
ハンターズアドベンチャー 〜エピソード クロス〜
第7話 『突然』
約30分後、轟華の意識が回復した。廻斗とグナイアクトは一安心。
轟華は廻斗に、
轟華『お兄……ちゃん……?』
と言った。どうやら記憶は失っていなかったようだ。だが、廻斗はお兄ちゃんと呼ばれて少しビックリした。(こんな可愛い子が俺の妹……?)と。
廻斗は返事をした。
廻斗『ああ、そうだよ。』
轟華『良かった…お兄ちゃんに会えて…』
轟華は廻斗に手を差し伸べた。どうやら久しぶりに兄の温もりを感じたいらしい。そう考えた廻斗は、轟華の手を優しく包み込んだ。
そ の 瞬 間 だ っ た 。
轟華『ううっ!!』
廻斗『どうした!?』
轟華はいきなり血を吐いた。その後ももがき苦しんだ。
轟華『身体が……痛い……ぐはっ!』
廻斗『おい!大丈夫か!?おい!!』
アクト『一体何が起きたってんだよ……?』
轟華の苦しみの声に村人達が駆けつけてきた。村長も駆けつけてき、廻斗に事情を聞いた。
村長『!! 一体何があったんだい!?』
廻斗『わ、分かりません……。俺が手を握ったら、いきなり……。』
廻斗は震えていた。俺が何かをしたんじゃないか、と。廻斗は村長に、
廻斗『お、俺は、な、何も……して、いません…』
村長『わかってるよ。ヌシはこんな事をしそうなハンターじゃない。安心しな。』
アクト『か、廻斗。落ち着け。ほら、深呼吸だ。』
廻斗は、グナイアクトに言われた通りに深呼吸をした。
廻斗『はぁ……はぁ……。』
アクト『村長さん、俺達はどうすれば……』
村長『そこの家で休んでいな。大丈夫だ、良い医者を知っているんだ。伝書鳩で手紙を送って呼ぶ。来るまでの間、ワシがポッケ特製鎮静剤であの子の症状を抑えるから、安心しな。』
アクト『あ、ありがとうございます……。では……。』
廻斗とグナイアクトは、隣の家に入り、腰を下ろして休んだ。
約10分後、1人の医者が歩いてやって来た。
アクト『お、医者が来た。廻斗、医者、来たぞ。』
廻斗『そうか……良かった。』
廻斗はすっかり気力が失くなっていた。
アクト『廻斗はここにいろ。俺が見てくる。』
廻斗『いや、俺も行く。妹が苦しんでるっていうのに、兄が行かなくてどうするんだよ。』
アクト『……そうだな。ついてこい。無理しない程度にな。』
廻斗とグナイアクトは再び轟華のいる家に入った。
アクト『……えっ!?』
グナイアクトはいきなり驚いた。廻斗は何故驚いたのか意味が分からなかった。しかし、その意味はすぐに知れた。
???『ア、アクト!?久しぶりだ……っと、こうしちゃいられない。症状を確認しないと……』
どうやらこの医者は、グナイアクトの知り合いらしい。廻斗はグナイアクトに聞いた。
廻斗『知り合い?』
アクト『まあな。名前はムルシューフ=リートルンド。昔は俺と一緒にハンターをやっていたんだが、ある事件がきっかけでハンターを辞めたんだ。こいつは昔っから自作の薬を作るのが得意で、ハンター辞めた後は医者をやるんじゃないかって予想してたんだが、まさか本当にやっているとは思わなかった。』
シューフ『アクト、その話は終わりにしようか。症状がわかった。……わかったのだが……』
廻斗は嫌な予感がした。が、覚悟を決めて聞いた。
廻斗『……どんな症状なんですか。教えて下さい。』
シューフ『タメ口でいいよ。この子の症状は……"カルナヴォルグ病"……だ。』
廻斗『……え?』
アクト『…………マジかよ……。廻斗……残念だが……この子は……』
廻斗『……………………めろ……。』
廻斗はグナイアクトを睨んだ。
アクト『廻斗……この病は不治の病なんだ。今までにかかった患者は例外無く死んでる。本当に……残念だが……この子は……。』
廻斗『やめろおおおおおおお!!!』
アクト『うおっ!!廻斗、落ち着け!!』
廻斗『うるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさい!!こいつは……俺の妹は……絶対に死なせない!!俺が救ってみせる!!』
アクト『廻斗…………。』
シューフ『……そこの君、廻斗と言ったかな?どんな困難な壁も乗り越える覚悟があるなら、一つだけ、治す方法がある。』
廻斗『どんな困難な壁も乗り越える覚悟なら、ここに来る前にもう決めた。』
シューフ『そうか。なら、カルナヴォルグ病を治す方法を教えよう。ここから遥か東に、《黒島》という小さな島がある。そこに"災世龍カルナヴォルグ"という龍がいる。……そう、カルナヴォルグ病は、その龍が生み出した病だ。廻斗には、この災世龍の"災玉"という宝玉と、《黒島》に生えている"逆転草"という草を取りに行って欲しい。だが、《黒島》の周りには、カルナヴォルグ病の塊の暗雲が立ち込めていて入れない。そこで、ここに書いてあるモンスターの宝玉が欲しい。それに、"火山"の隠された場所に"導きの石"という石を取りに行ってくれ。隠された場所は火山のどこにあるかわからない。噂では、エリア10の溶岩を東に渡っていけばあるという。保証は無いが……。今、モンスターの名が書いてある紙を渡す。どうか、生きて帰って来てくれよ……。』
と、ムルシューフは言い、廻斗に紙を渡した。
廻斗『ありがとな、シューフ。必ず、取ってきてみせる。妹を救うために!』
廻斗はそう言って、隣の家に向かっていこうとした。と、ムルシューフが呼び止めた。
シューフ『すっかり忘れてた……。カルナヴォルグ病はだいたい20日で人間を死に至らしめる。20日という時間は短すぎると思うから、俺が作った特製薬で進行を遅らせる。ただ、それでも1ヶ月が限界だ。それまでに、さっきいった物を取ってきてくれ!頼む……!』
廻斗『……わかった。じゃあ、行ってくる。』
アクト『じゃあな、シューフ。』
シューフ『……ああ。』
廻斗とグナイアクトは、指定された物を取りに行くために、準備を整え始めた。
続く
会話文大杉ェ……
後、登場人物スレ更新しました!
- 日時: 2016/02/19 15:21
- 名前: ダブルサクライザー ◆4PNYZHmIeM (ID: OyhB501b)
モンスターハンター 〜星屑の瞬き〜
二十二章 ブレイド・ディノバルド
古代林ベースキャンプ。
日も暮れて夜の帳が降りた頃、シルバとユニは焚き火を挟んでささやかな夕食を取っていた。
「へぇー、シルバくんってけっこう料理上手なんだね」
山菜のスープを啜りつつ、ユニは感心する。
「上手って言っても、簡単な調理しか出来ないけどな」
シルバは謙遜しつつ、焚き火に薪をくべる。
「それでも美味しいよ。私なんか一人じゃ作らないから、今作ったら黒い何かが出来そうだもん」
「……それはそれでちょっと問題じゃないのか?ハンターとしてさ」
肉焼きもそんな感じだったとしたら、どうやって訓練所を卒業したのだろうか。
気になるが、触れてはいけないような気がした。
「それに、俺なんかよりずっと上手い娘もいたんだし……」
ふと、シルバはある一人の少女を思い出す。
つい一週間前に、自分のことを庇い、そして去っていったユクモの少女。
「ねぇ、そのコってさ……」
すると、何を期待したのか、ユニがニヤニヤと笑う。
「ひょっとして、シルバくんの彼女さん?」
投下される爆弾発言に、シルバは顔を真っ赤にして慌てる。
「なっ!?ちっ、違う違う!付き合ってたとかっ、そんなんじゃない!」
確かに、同居はしていたが、恋人同士だったわけではない。
ただ、それを言うと余計にユニを煽る引き金になりそうなので言わないが。
「えー?違うの?」
「なんでそこ不満そうなんだよ……」
はぁ、とシルバは溜め息をつく。
「んー、でも……」
不意に、シルバの顔をまじまじと見詰めながら考え込むユニ。
可愛い系と美人系の中間くらいの顔立ちであるユニは、シルバからすると美少女だったりする。
そんな美少女に見詰められるのは慣れていないため、照れ隠しに目を逸らす。
「……うんっ、いいよ?」
「な、何が?」
考え込んだと思ったら、また悪戯っぽい笑顔。
「シルバくんくらいイケメンなら、付き合ってもいいかなーってね」
「は、はぁ?」
思わず鳩が豆鉄砲を食らったような呆け顔をするシルバ。
ユニほどの美少女からそう言われるのは悪くない、むしろ嬉しかったりするのだが、シルバは少しだけムッともなった。
「ユニ……あんまり人のことからかうなよ」
ユニの性格からすれば、誰にでもそう言うことを言ってそうだ。
「そんなことないよ?シルバくんだったらホントにいいかなって」
「分かった分かった……」
呆れ半分、しかし嬉しさ半分で、シルバはスープを飲み干す。
「ホントにいいの?」
「だから、いいって言ってるだろ」
「でも、シルバくんも疲れてるでしょ?」
「俺は慣れてるからいいんだよ」
食後。
ベースキャンプのベッドをどっちが使うかと言うことになり、最初にシルバがユニに譲ろうとして、ユニはこれを拒否し、シルバも負けじと押し返し、押し問答の末にユニがベッドを使うことになった。
「じ、じゃあ、お言葉に甘えて……」
ユニは毛布に身を包んで横になる。
「襲っちゃやだよ?」
ふざけ半分なのか、お互い年頃の男女を相手にそんなことを口にするユニ。
「しないから、早く寝た寝た」
シルバも軽く受け流すと、テントの幕に背中を預けるようにして腰を下ろす。
「うん、お休みなさい、シルバくん」
「ん、おやすみ……」
腰を下ろした瞬間、眠気が襲ってきた。
目を閉じれば、すぐにでも意識が床に落ちた。
ギョリィィンッ……ギョリィィンッ……
不愉快な金属音。
それを耳にしたシルバは眠りから覚め、バッと跳ね起きた。
「なんだ……?」
とにかく、ベッドの方を見れば、ユニは静かに寝息を叩いている。
「すぅ……くぅ、すぅ……」
ぐっすり眠っているのか、先程から微かに聞こえる金属音は聞こえていないようだ。
いや、自分の気のせいだったか?
ギョリィィンッ……ギョリィィンッ……
違う。
今のは確かに聴覚にハッキリ感じた。
そう、まるで「刃物を研ぐような音」。
「なにかいるのか……」
ツインダガーを手にして、シルバは慎重にベースキャンプを出る。
エリア1。
ここには何もないが、音は確実に近い。
その隣の、エリア2。
ギョリィィンッ、ギョリィィンッ、ガギャィィィンッ
シルバが見えたのは、青色と赤色をした大型モンスターが一頭。
大きく太い後ろ足。
そして何より目を引くのは、ハンターが扱う大剣のような形をした尻尾。
その尻尾を隆起している鉱脈に擦り合わせている。
文字通り、「刃物を研ぐように」。
「刃物を研ぐような音」の音源はこいつだったらしい。
鉱脈で研いでいる内に、くすんだ青黒い尻尾はやがて、工房の中の火から上げられたばかりの武器のように赤く煌めき、炎が揺らぐ。
「あいつは、一体……」
とにかく、その姿を確認したシルバは、奴に気付かれない内に、そこから離れた。
シルバが去った後。
モンスターは林の向こうから現れた深緑の巨体と相対していた。
雌火竜リオレイア。
「グォアァァァァァッ!!」
縄張りに入るなと言うように咆哮するリオレイアに対し、モンスターは全く怯まない。
陸の女王と言われるリオレイアは、低空から飛び掛かるように攻撃を仕掛けた。
が、モンスターは容易くそれを往なし、間髪なく反撃にその尻尾を降り下ろした。
瞬間、リオレイアの翼爪が、文字通り"切断"された。
「ガォァァァッ!?」
予想外な反撃に、堪らずリオレイアはそのまま飛び去り、モンスターから離れていく。
リオレイアを追い払ったモンスターは、再び尻尾の研磨に勤しむ。
尻尾に噛み付くと、牙で擦るように研ぎ澄ましていく。
それを終えた頃、尻尾の刀身は鮮やかな蒼色となって月光を反射した。
「ヴゥオォォォォォォォォォォォッ!!」
断ち斬れ、その竜の名は斬竜ディノバルドーーーーー。
- 日時: 2016/02/19 16:17
- 名前: EXTENDED ◆FGU2HBsdUs (ID: LPOlhmyq)
割とどうでもいいおまけ
※目次にはいらない。
地「ふぉぉおおお!!装備シミュするぞぉぉぉぉおおおお!!!」
碧「今日のメニューは」
地「弱特、業物、攻撃大とおまけ!!」
冥花「お守りは?」
地「切れ味5攻撃9s0!!」
炎「どうせウカムが混ざる」
地「そうかな?やってみなきゃわかんねぇぇえええええ!!!あ、おまけいいものみっけたああああああああああ」
ポチッ
EXレウスS「やぁ。」
地「ほわぁぁぁぁああああああああああ??!?!!?!?」
残妖「あ…EXレウスS一式…」
霊華「南風狩人いれたせいね」
碧「空きスロに切れ味をぶち込んで完成か…なんということだ」
炎「痛撃、攻撃、炎熱対応をちょうどよくもってたからな。おまけに攻撃は+11…」
冥花「お守りが見事にはまってるわけね」
残妖「そして空きスロが5つ…」
地「ほげぇぇぇええええええ!!!」
碧「(しかしどれに担ぐんだ?)」
ごめん、まだ四天王やってない。
- 日時: 2016/02/20 06:38
- 名前: 創造神ゼウス (ID: BYWpjqZo)
遅くなりましたが再始動ですよ
歴戦記V 第二巻
第三章 紅兜狩猟依頼
村に出ると紅き熊が暴れていた。
足湯を経営していたねこが深く爪で飛ばされた。
村は大混乱に陥っていた。
抜刀した大剣を握りしめて歩む。
「ノエルか!助けてくれぇ!」
足湯ねこが言った。
小さく頷き、紅兜を睨んだ。
ノエルの形相はまるで餓えた恐暴竜。
瞳の奥に強い意志を感じた。
大剣を構え、気持ちを作る。
連続乱舞が開始すると、紅兜は怯み、仰け反る。
ベルナ村で修得した技。
今使うときだ!!
地衛斬V!!
それは紅兜を鋭く裂き、紅き華が散った。
大剣を回し、構える。
横切りが炸裂し、紅兜は倒れた。
ノエルの圧勝。
ユクモ村ではノエルを支援する宴が開かれた。
これからノエルに燼滅刃という悪魔が降り注ぐことを知らずに。
第四章 燼滅刃の急襲
「僕は帰ります。」
「もういくのかい?」
「はい。まだすることもあるし。」
「することって?」
「することを見つけることです。」
村長と話し、荷物をまとめた。
その晩。
ユクモ村の村長がマイハウスに来た。
「ノエルくん!?大変なの!!」
眠い目を擦りながら外に出ると村長が青い顔をして待っていた。
「ついに来たわね…燼滅刃。」
「じんめつじん?」
「二つ名のディノバルドよ。」
それを見たいという好奇心が勝り、そのクエストに行ってしまった。
場所は渓流。
我、灼炎を統べることの如く其の空気と共に総てを切り捨てろ。
その尻尾は燼滅の刃。
紅く煮えたぎるように燃え盛るその刃で総てを切り裂いてきた斬竜。
「格が違うな…」
大剣を抜刀…しようとした瞬間に
槍尾でノエルは裂かれた。
想像を絶する攻撃力にノエルは悶絶。
炎属性やられのせいで体力が大幅に削られていく。
このままだと生きているのも精一杯になる。
燼滅刃の討伐なんて到底できっこない。
「回復薬G…」
アイテムポーチを探る。
燼滅刃がこちらを睨む。
赤黒い瞳で威嚇する。
直後、瞬く間にノエルは吹き飛んだ。
尻尾による回転攻撃に直撃したのだ。
体力が極わずかと言うときだった。
ブシドースタイルの効果か…
直前回避の後に体が軽くなる。
勢いに任せて剣を振ると…
燼滅刃に強靭な一烈を浴びせた。
この調子。
そうおもったときだった。
燼滅刃の新なる姿を目の当たりにする。
我、時を忘れ今、その槍尾を煌燐に変え、燃え盛る焼け野原に変えんとす。
黒き湯気が出る。
その燼滅の尻尾は赤黒くなり、一層熱さを増した。
当たっただけで全溶しそうな程の色合いをしている。
燼滅刃がノエルを引き裂いた。
美しき紅い華が咲き乱れてゆく。
燼滅刃という災禍に奏でられて…。
ミラルーツの決戦が思い出される。
もう…負けないんじゃ…なかったのかよ…!
歯を食いしばる。
目を青白く光らせて言う。
「我、燼滅刃といふ悪魔を討ち、災禍の時を忘れ、始まりの腐地に帰らんとす!」
大声で叫び、大剣で乱舞する。
燼滅刃と龍制剣。
皆がノエルの勝りを願った。
そして…
第二巻終わり!
試験多すぎで遅れました。サーセン。
次回、ノエル、煌黒龍と対決する!?
討伐した燼滅刃の大剣を使う。燼滅剣アーレー。
その炎神の如く宝剣で抗う。
決戦は溶岩島。
全属性を駆使する脅威的存在に
ノエルは勝つことが出来るか!?
次回最終回!歴戦記V、完結!!!
- 日時: 2016/02/20 15:30
- 名前: 名無しのパワー (ID: 6KNU5Np/)
公式設定を今ごろ知ってしまった。
モンスターハンター
〜猛者たち〜
10話「狩りの後」
ギルドマスター「すまないね、来たばっかりで頼み事をしてしまって。」
いえいえと、首を横に降る。
ラキア「今まで小型モンスターばかりでしたから、いい経験になりました。」
結構痛手だったけどね...自分の出せる力も出し切って、ギリギリ狩れたから、自分の力のなさも感じた。
リオン「そういえば、あの全員集合の古龍はどうなったんだニャ?」
依頼を受ける前に聞かされた古龍の話、狩りの途中にも気になっていた所だ。
ギルドマスター「それがね、全員集合する前に決着が着いたんだよ。」
・・・・・え?
古龍ってそんなに簡単に倒せる物なの?と、疑問がいくつか浮かぶ。
ギルドマスター「先程、速達で届いたんだけど、一番現場に近い龍歴院所属のハンターが撃退したらしいよ。」
りゅうれきいん・・・?
聞いたことがない名前だな、新しい団だろうか?
ギルドマスター「聞いたことがないって顔してるね。仕方ないよ、最近設立されたばかりだからね。」
マスターの話によると、石灰質の古代の建築物のようなものがあってよくよく調べると、モンスターの化石だと分かり、その調査隊として設立されたのが龍歴院らしい。
ラキア「古龍を一人で撃退できるほどの腕を持つハンターがいるなんて初めて知りました。」
するとギルドマスターが、うぅんと声を漏らす。
ギルドマスター「正確には分かっていないんだ。手紙には『古龍、撃退サレタシ、龍歴院ノハンターガ活躍』としか書かれていない。」
速達なので、手間を省くために省略したのだろうか。まぁ撃退されたのならそれでよしとしよう。
ギルドマスター「それより君達、今日は疲れただろう。話はこれまでにして、ゆっくり休んでくれ。」
お言葉に甘えて、ゆっくり休ませてもらおうと、ハンターズギルドを後にする。
宿に戻ると、何人かのハンターがいた。集合が解かれたため元々、バルバレに駐屯するハンターが帰ってきたのだろう。
部屋に入ろうとすると、ちょうど隣の部屋から人が出てく所だった。どうやらハンターのようだ。
ラキア「(お隣ぐらいには挨拶しとくか)おい!」
ハンターが振り向く。この地方ではみたことのない装備だ。白と黒を基調とした防具どちらかというとゲネポスシリーズに似ている。
ラキア「隣の部屋のラキアだ。よろしくな。」
握手を求めて手をさしのばすと、馴れ馴れしくするなと、言わんばかりに無視し、行ってしまった。
ラキア「なんだよあいつ...」
愚痴を言っているとリオンが活をいれる。
リオン「人、誰だって個性があるニャ。十人十色という言葉知らんのかニャ。」
むぅ...まぁいいだろう。
そんなこと忘れようと部屋に入る。
あのハンターが最大の友となることも知らずに。
- 日時: 2016/02/20 16:52
- 名前: 確かペンギンだった気がする (ID: zIYQdxZv)
お久しぶりです……スレ主放棄してました……
- 日時: 2016/02/21 17:43
- 名前: EXTENDED ◆FGU2HBsdUs (ID: tg9t1f4v)
第49話 BLAZEによる下見
「…」
夜の孤島に一人で狩猟をする男、BLAZE
明日はラギアクルスの狩猟を行う。そのためにこの世界のラギアクルスがどうなっているのかを確かめに来たのだ
自身が知りうる範囲であるなら別にその必要はなかった。ただ不確定要素があまりにも多すぎる。
もし明日に予測できない事態が起きてしまったとき、対処できるようにしておきたい
そう思いながらエリア10を目指していた
しかし…
〜エリア5〜
「!」
ここには滅多に来ないだろうと思っていたBLAZEの予想を裏切るかのように、ラギアクルスはいた。
それだけではない。何か黒い霧のようなものを背中と頭に纏っている
「なんだこれは…」
BLAZEが知りうる範囲にこの現象は存在していない。彼にとってもこれは初見である
彼の想定していた狂竜病ではなかったためまだ感染は拡大していないことは確認できた。しかしそれとは別の問題が発生している
「よくわからんが、まぁいい。どうせ陸のラギアなどただの…」
『近寄ったな…螺旋雷球!!!』
「何?!」
ラギアクルスの周囲に大型の雷球が、螺旋を描いて進んでいく。咄嗟の出来事であったが、BLAZEは超人的な脚力でその範囲から離脱していた。
放たれた雷球は想像を超える大きさで、ラギアクルスを完全にガードするかのごとく回る。
「何だこの技は!」
彼の知るラギアクルスは地上戦になるとものすごく弱いただのかかし程度の認識であった。
しかし…今いる個体はそんな考えは全く通用しない。地上でどでかい雷球を螺旋させることなど聞いたことがなかった
…もっとも、これは獰猛部位が背中にかかっているためでもある。通常はたしかに大型ではあるが、付け入る隙のある程度ではある
「もはや我の常識は通用しないか…おもしろい。下見などでは済まさん、実力を見せてみろ!」
『逃げない?ならば蓄電を最大放出させてもらおう』
黒い霧が立ち上る背中から赤い稲妻が閃く。
そして…
『大放電!!!!』
バスンッ!!!!
大放電はラギアクルスが蓄電した電気を開放する技だ。周囲を4方向に、3段階に渡って電撃爆発が発生する。
更に、獰猛部位が背中にかかっているときはその範囲が拡大される
バスンッ!!!
「っ!なんという広さだ…」
2段階目をなんとか回避したBLAZEであったが…
バシンッ!!!
「何っ?!まだ来る!?」
…電撃爆発はエリア5のほぼ全域に及んだ。こいつ種族間違えたんじゃないかなと疑うレベルの雷撃であろう
3段階目を直撃したBLAZEであったが、そこまでダメージが見られない
むしろさっきよりも…
「くく…!はっ!!おもしろい!!!そうでないとなぁ!!!!」
―狂い始めていた
- 日時: 2016/02/22 09:14
- 名前: ダブルサクライザー ◆4PNYZHmIeM (ID: IfZrZPgx)
モンスターハンター 〜星屑の瞬き〜
二十三章 最強のニャンター
マッカォの間引きから一晩が明けて、シルバとユニがベルナ村に帰還して、依頼成功と一緒に、昨夜にシルバが遭遇したモンスターのことを村長に報告した。
「シルバ君、それはもしや『斬竜』ディノバルドではないか?」
「「ディノバルド?」」
シルバとユニはおうむ返しに声を揃えた。
村長は神妙な顔付きで答える。
ディノバルド。
ハンターが扱う大剣のような形状の尻尾を持つ獣竜種の大型モンスター。
と言うよりは、尻尾にそのまま大剣が生えていると言っても過言でもなく、実際にそれを文字通り"研ぎ澄ませる"ことで殺傷能力を高めている。
獣竜種特有の足回りの速さで相手を翻弄し、薙ぎ払った尻尾の一撃はまさしく必殺と言える威力を持ち、縄張り意識の強い他の大型モンスターを簡単に撃退させられるほどである。
これだけでも非常に危険な大型モンスターであるが、"火炎嚢"と言う特殊な器官を用いることで火属性のブレスを吐き出すことも可能。
このブレスはリオレウスの火球ブレスに比べれば小さいものの、地面に着弾してから一定時間燃え盛り、最後には大爆発を起こす代物であり、場合によってはリオレウスよりも危険な技ともなる。
余談ではあるが、このディノバルドの発見からまもなく『燼滅刃』と呼ばれる特異なディノバルドも確認されているらしく、あまりにも危険な存在であるために、ギルドに特別許可を申請できるほどのハンターでなければ狩猟依頼を受けられないほどだ。
「……なんか、すごいデジャヴだな」
村長の説明を一通り聞いてから、シルバは思い出すように呟いた。
ココット村の近隣の狩り場である森丘に、突如襲撃してきた、電竜ライゼクス。
一目見ただけで分かる、"ヤバイ"奴。
それだけのモンスターの姿を見て、無事でいられた自分は相当運が良いらしい。
ともかく、依頼には成功しているので、クリスから報酬を貰う二人。
「帰ったら、一緒にオトモ広場に行こうね」
狩り場からの帰り、ユニからそう言われていたシルバは、自分が使うことになった借家で装備を外して、楽な格好に着替えてから外に出る。
借家の前でユニが待ってくれていた。
今の彼女は、昨日までのような二つ結びではなく、それを解いて下ろしている。
背中と腰の半ば辺りまで伸びている亜麻色の髪はさらさらと揺れ、とても柔らかそうだ。
ただ、美しく長い髪の美少女と言う美的特徴は、シルバの苦い記憶を否応なく呼び覚ますものだった。
それを察したのかどうかは分からないが、ユニはシルバの手を取って、引っ張るようにオトモ広場に連れていってくれた。
そこは、とてもほのぼのとした光景が広がっている。
簡単な仕切りで囲まれただけで、余計なものは何もない。
そして何よりも、十人(猫?)十色のアイルー達の姿。
特訓やトレーニングに勤しむ者、のんびりと寝そべっている者、サシミウオをかじる者、とにかく数が多い。
「みんなー!たっだいまー!!」
ユニが大きな声で手を振りながら、オトモ達を呼ぶ。
その声に気付いたオトモ達は(寝ている者も含めて)一斉に彼女の方に向いた。
そして、
「ご主人が帰ってきたニャー!」
「おかえりなさいニャー!」
「ニャ郎ども、アネキのおかえりだニャ!」
「「「「「ニャニャニャニャニャー!!!!!」」」」」
我先にとオトモ達が駆け寄ってくる。
「おぉ?なんだなんだ……?」
シルバは思わず半歩後ずさる。
ユニはその場で膝をついてしゃがむと、群がってくるオトモ達に抱きつかれまくる。
が、やがてしゃがむだけでは支えきれなくなって押し倒される。
「あはははっ、今日もみんな元気だねー!」
雪だるま状態ならぬ、ネコだるま状態にされても、ユニは嬉しそうに笑っている。
シルバはそんなネコだるま状態のユニを見下ろすばかり。
「ユニ、こいつらって?」
「うんっ、みーんな私のオトモ達だよ」
オトモたち、ではなく、オトモ"だち"と言うユニ。
一頻りユニに抱きついたオトモ達は、次第に彼女から離れていく。
「旦那しゃまっ、ハチミツの交易完了してますニャ!」
「こちらも薬草の交易完了しておりますニャ、マスター」
「アオキノコの交易、終わってるぜよニャ。大将」
その内の三匹のオトモは、手にした麻袋をユニに差し出してくる。
「ムース、タルト、バーム、ご苦労様。後でマタタビあげるからね」
ユニは三匹の頭をなでなでしてやると、その麻袋を受けとる。
次に、また別の四匹が麻袋を用意してくる。
「第三文仁楊(モンニャン)隊、マンジュー以下四名、無事に森林地帯より帰還。以上!」
四匹ともきちんと整列し、肩幅で足を開いて手を後ろに回しながら、隊長格のオトモが堂々たる態度で報告、麻袋をユニに差し出す。
「うんうん。マンジュー、ダンゴ、センベイ、ダイフクもよく頑張ったね」
後でサシミウオ焼こうね、とユニが言えば、ニャ郎ども四匹は大喜び。
そろそろ何が何だか分からなくなってきたシルバは、ユニに話し掛ける。
「なぁ……」
「ん?なぁに?」
「ユニがここに来るたびにこう言うことになってるのか?」
「うん、みんないいコ達だからね」
ユニは受け取った麻袋の中身を整理しつつ、シルバに応える。
「って言うか、あいつら全員に名前あるのか?全部お菓子の名前だけど……」
「もちろん。みんな私が付けたんだよ」
「へ、へぇ……」
狩り場でのメラルーに対する対処や、ここでのオトモ達への愛情を見ても、ユニのアイルー好きは尋常ではない。
なんとも、呑気な場所だ。
シルバもそのほのぼのした空気呑まれそうになっていた、その時。
不意に、オトモ広場の空気に緊張が走った。
「ニャッ、みんな控えるニャ!"アニキ"が帰ってきたニャ!!」
オトモ達は慌てて態度を正している。
すると、広場の出入り口に、一匹のアイルーがやってきた。
全身に纏うのは漆黒の鎧。背中には鎧と同じ黒い大剣。
何よりも、アイルーとは思えぬほどの覇気。
純白の毛並みは、何かのブレスを受けたような、火傷の後が横切っている。
「あ、おかえりなさい」
ユニも緩んでいた表情を切り替えた。
「セージ」
- 日時: 2016/02/24 13:05
- 名前: ダブルサクライザー ◆4PNYZHmIeM (ID: /w1SGA1f)
>>226から一切顔が出てませんけど、主のスラ×エリさんマジで大丈夫なんでしょうか……
- 日時: 2016/02/24 15:10
- 名前: 一方通行 (ID: QPBVqynZ)
学年末終わったら学習状況調査……
モンスターハンター〜狩人としての責任〜
第四話 対をなす存在1
新しくギルドに二人のメンバーが加わった。
サグとサラ。モンスターの『力』を持つ姉弟。
大きな戦力の追加である。
そんな戦力が追加されたギルドと言えば、
「ああああああああああああああああああああ!!待ってえええええええええええええええええ!!」
どーん☆ とすさまじいほどのサグの悲鳴とすがすがしいほどの爆音が。
ここは孤島。ブラキディオスを狩猟するのが今回のクエストのメインターゲット。
「あああ、粉塵粉塵、ってこっちに来たあああああ!?」
シズは生命の粉塵を飲んだ。が、ブラキディオスはそんなことを許さなかった。
これは終わった、と思う団長のファルだが、
「鏡花の構え!!」
ブラキディオスが殴りにかかったところに、タイミング良く狩技を叩き込む。
「おおお、やるじゃんやるじゃん」
「すごーいシズさん」
「「二人ともそこで高みの見物してんじゃねえよ!!」」
一緒にツッコミを入れるサグとシズ。
「元々あたしは乗り気じゃないよー」
「ネ゛エ゛ザン゛!!オンドゥルルラギッタンディスカ!!」
「んー、何だってぇ?」
「アンタらやめろマジやめろ」
止めに入るシズ。
「んじゃ真面目にやろうか?」
「姉さん待てやめろちょm」
サラが手を上にあげてそのまま下す。
直後。
ビシャアアアアン!! と鼓膜を突き破るような音と共に赤色の雷がブラキディオスに落ちる。
それだけだった。
ブラキディオスがバタン!!と倒れる。
「は…?」
「マジか」
「やめろって言ったろ」
「ごめんごめん」
頭をわざとらしく掻く。
そこに団長が、
「勝てばよかろうなのだァァァァッ!!」
「やめろっつったろ」
団長を片手でカツアゲするシズ。
「わかったわかった」
と、その時サグが。
「下がれ」
「「へ?」」
その直後に。
ズドォォォォォォォォン!! と。
ブラキディオスに火球……メテオが降ってきた。
「よお」
少年の声がした。
透き通っているようで、確実に不気味で。
「お前か」
「覚えてんのか」
「あぁ」
「紅龍さんよぉ」
対をなす存在2へ続く
あとがき
久しぶりです皆さま。相変わらず寒いですね。
まず主人公について。
主人公はサグとシズ。
シズはジンオウガ装備ですがどんどん変わっていく予定。
サグは私服だよ。シャツとジーンズみたいな。19歳。
次にキャラクター。
サラは特に装備は着ていません。むしろ水着みたいな格好です。年齢不詳。
ファル。キャラ〇ンの団長みたいな恰好。実際には25歳くらい。
後々キャラも増えていくと思いますがこれからも温かい目で見ていただければ。
このスレを立てて下さった翼の勇者さんには感謝を。まだミスもあると思いますが改めてよろしくお願いいたします。
それでは今回はこの辺りで。また見ていただければ幸いです。
あとがきの書き方変えました
- 日時: 2016/03/12 08:43
- 名前: 名無しのパワー (ID: AgRPIxTb)
モンスターハンター
〜猛者たち〜
番外編1「自作狩技紹介編」
その名の通り自作狩技を書いてきます。新しい狩技がでたら更新します。
(自作と言ってもラウンドフォース○○や音撃震○○とかなんですけどね...)
センザン
ラウンドフォース[戦斬]
威力重視のラウンドフォース、範囲は通常の1.2倍、左に二回転、右に一回転する。無敵時間はほぼない。
ゲージ 威力
小 I 30→40→45
中 II 35→45→50
中 III 45→45→50→55
- 日時: 2016/02/25 09:01
- 名前: ダブルサクライザー ◆4PNYZHmIeM (ID: sbzTVNcy)
モンスターハンター 〜星屑の瞬き〜
二十四章 バカの意味
セージ、とユニがそう口にしたアイルー。
それは、シルバにも感じている。
そんじょそこらの大型モンスターが霞んで見えるような、絶対的なプレッシャー。
周りのオトモ達が、エリア内に大型モンスターが現れた時の小型モンスターのように、そのセージの道を譲る。
「今戻ったニャ、ユニ」
ネコ声だと言うのに、ひどくドスが混じっているように聞こえる。
「思ったより、遅かったね?」
そんな存在を前にしても、ユニは怯えない。
「ンニャ、久々に古巣に顔を出したのはいいんだがニャ、オレの目当ての人物はそこにいなくてニャ、ポッケ村まで足を伸ばしてきたニャ」
「へぇー、ポッケ村っ。確か、雪の中にある寒〜〜〜い村なんでしょ?」
「まぁニャ。よくもあんな寒いところに住みたいと思うニャ。それよりも……」
セージの視線が、シルバに向けられる。
その蒼い瞳の眼光は、まるで刃物を突き付けられているような錯覚さえある。
「お前は、どこのハンターニャ?」
ようは、名乗れと言いたいらしい。
シルバは落ち着いて一呼吸ついてから、堂々と答えた。
「シルバ・ディオーネ。ココット村の出身だ」
「ふむ、ココット村かニャ」
英雄ココットの村だったかニャ、と呟くセージ。
それから、防具である、漆黒のヘルムを外した。
「オレの名はセージ。一昔前まで、キャラバンに所属していたがニャ、今はここで厄介にさせてもらってるニャ」
純白の毛並みに蒼の瞳。
だが、やはり目を引くのは、身体の半分を横切った、火傷の痕。
「その、火傷は?」
思わず、シルバは訊いてみた。
「……その一昔前に、『バカ』の代わりにリオレウスのブレスを直撃してニャ」
さすがに痛い目に遭ったニャ、とセージは憮然と溜め息をつく。
リオレウスのブレスを直撃した、と聞いてシルバは背筋を冷やした。
いくら防具を着けているとは言え、あんな巨大な火の塊を受けて生きていられたなどとは到底思えない。
ふと、セージはシルバを品定めするように睨み付ける。
「お前は……そうだニャ、まだハンターになって間もない、双剣使いってところかニャ?」
「っ!?なんで分かったんだ……!?」
シルバは驚くしかなかった。
武器も防具も着けても、そもそも何かしらのペイントも施していないハンターを、一目見ただけで経歴時間と使用する武器を言い当てたのだ。
「見れば分かるニャ。腕の筋肉からして、重い武器を持ち上げるよりは、軽い武器を高速で振り回すタイプ。それがほぼ左右対称となれば、双剣を使うハンターの身体付きだニャ。期間に関しては、勘だニャ」
「か、勘……?」
「オレは、お前と似たような『バカ』を一昔前に相手にしたことがあるからニャ」
「な、なんだそりゃ、バカって……」
初対面の、それもアイルーにいきなり『バカ』呼ばわりされるのも、シルバとしては少し癪だった。
「ちょっと強そうな防具着けてるからって、なめるなよ」
喧嘩腰になるシルバ。
だが……
「な に か 言 っ た か ニ ャ ?」
辺りの空気が、ざわついた。
ビリビリとした、不愉快な恐怖感がそれを支配した。
「……は、は…………っ!?」
シルバは息を呑むのが精一杯だった。
隣にいたユニは膝を笑わせて怯えている。
錯覚ーーーーセージの後ろに、二本の巨大な大牙を生やした、固まった溶岩のように黒い竜が見えている。
「な、なな……何者だよ、お前……?」
アイルーが、こうにも強大で圧倒的な威圧感を放てると言うのか。
「ただのアイルーだニャ。まぁ……」
次の瞬間には、シルバの視界にセージの姿はなかった。
同時に、シルバの身体は一瞬宙を浮き、仰向けに倒れた。
「ちょっと、『覇たる者』と決闘してきただけニャ」
セージは倒れたシルバの腕を掴むと、ぐいっと引っ張って立ち上がらせる。
「そうビビるんじゃニャい。オレに歯向かおうとしただけ、ハンターとしての素質はあるニャ」
またニャ、とセージはそう言い残し、オトモ広場を後にしていった。
「…………」
「シ、シルバくん……大丈夫?」
まだ少し震える声で、ユニはシルバの背中に問い掛ける。
「……強く、ならなきゃ」
シルバは拳を握った。
「どんなモンスターだって狩れるくらい、強いハンターに」
晴れ渡る蒼空を見上げながら、悔しげに、シルバは拳を握るーーーーー。
- 日時: 2016/02/26 02:12
- 名前: EXTENDED ◆FGU2HBsdUs (ID: hn6kNkKn)
目次間隔が30を超える…まだいいやと思ってしまう
目次間隔が50を超える…編集するのがめんどくさくなるけどまぁいいやと思う
目次間隔が100を超える…抜けがおきやすい。もうやりたくないと思ってry
目次間隔が200をry…そうだ、誰かに任せよう
…うん。目次更新、しようか…。(丸投げ
最近の俺
EXT「闘技大会ぃぃぃいいいいい!!!!」
地「ソロS目的かな?ww」
EXT「それ以外に何があるってんだ…。なんとなくやりだしたけどまぁうん。ニャンターはあとにして楽しく…やれるわけねぇだろ!放電しろフルフル!!って違う!放電しながらこっちにくるなぁあああ!!!」
霊華「で、進行状況は?」
EXT「ホロロとガノ」
炎「2つか、少ないな」
EXT「が残ってる」
冥花「…え?」
なお、DLクエはナルガだけ出来た模様。
ホロロ突破できるかなぁ…すっごい不安
- 日時: 2016/02/27 15:32
- 名前: 名無しのパワー (ID: 2QpMxUr7)
モンスターハンター
〜猛者たち〜
11話「暑さとのお別れ、」
早朝、ギルドマスターに呼び出されハンターズギルドに赴く。
ラキア「なにかあったんですか?こんな朝早くから。」
あくび混じりに喋ると、マスターがほっほほと笑う。
ギルドマスター「今回もいきなりすまないね、実は昨日言うべきだったんだがお疲れだと思ってね、言わなかったんだけども・・」
また狩りの依頼かな。そう思っていたが、
ギルドマスター「君のお父様から昨日手紙が届いてね、砂漠だけじゃ飽きるだろうからもっと遠くに行ってこい!!...って書いてあってね。」
なんだそりゃ、お前がバルバレ行けとか言ってたくせに、今度はもっと遠く行け!かよ。
というか、そんな文をマスターに読まれたとなると恥ずかしくてたまらない。
ギルドマスター「そこで、提案なんだが、ラキア君は『雪』を見たことあるかい?」
雪か...父に聞かされただけで、実物を見たり、触ったりはしたことがない。夜に急激に寒くなる砂漠でも、さすがに雪は降らない。
ギルドマスター「ちょうど、ポッケ村に行く飛空船が今日あってね、それに乗せてってもらえばいいと思ったんだよ。」
ポッケ村...たしか雪山にある村だったか...
ラキア「でも、どうしてそんな雪山に行く飛空船が今日あるんですか?」
ちょっとね...とギルドマスターが小さな声で言う。
ギルドマスター「雪山観測隊が訳ありで砂漠に来ていてね、今日本部に帰るんだよ。」
訳ありってなんだろう、すんごい気になる。
ギルドマスター「それに、君と同世代のハンターもいるからちょうどいいと思ってね、ほら、そのハンターがきたよ。」
振り向くとそこには、昨日部屋に入る前にあった、白と黒の防具を纏ったハンターがいた。
ラキア「お、お前は!!」
反射出てきた言葉にマスターが、知り合いかい?と聞いてくる。
ラキア「いえ、昨日あったばかりです。コンナヤツ(ボソッ)」
聞こえたのか、こちらを睨んでから、通りすぎていく。
???「ギルドマスター、何か御用ですか?」
こいつもマスターに呼ばれたのか。と思っていると、
ギルドマスター「ごめんね、急に呼び出して、実は頼みたいことがあるんだ。
そこにいる彼を一緒に連れていってくれないか?」
振り向いてこちらを見る。怪訝な顔をしている。
???「こいつを、ですか?」
はぁ〜とマスターがため息を着く。
ギルドマスター「何があったか知らないけど、ハンター同士仲良くしないと生きてけないよ。ほら、自己紹介して。」
白黒ハンターが渋々、自己紹介をする。
レルロ「レルロ、レルロ・ラ・フランツです。」
あんまし聞かない名前だな。
ラキア「俺はもう、昨日言ったから覚えているよな?」
しかし、手を顎に添え、考える体制になった。
まさか、覚えてないのか?
レルロ「すみません、忘れてしまいました。」
なんだと!!と喧嘩腰になるが、さすがにマスターの前ではやめといた方がいいだろう。
リオン「こいつはラキア・ラウギス、僕はリオンだニャ。」
リオンも俺のことをこいつ呼ばわりかよ...
レルロ「ラキアとリオン...ですか。それではギルドマスター、これで失礼します。」
はいはい、ご苦労様とマスターが言い、レルロはハンターズギルドを出ていく。
ギルドマスター「すまないね、彼はかなりの人見知りでね。最近はマシになってきたと思うのだけども。」
人見知りか、子供のころずっと一人でいたのか?
ギルドマスター「荷物はこちらでまとめていくから、君は足りない物や貴重品をまとめておいてくれ。」
分かりました、と相槌をうち自分もハンターズギルドをあとにする。これからうまくやっていけるのだろうか。
- 日時: 2016/02/28 00:56
- 名前: ダブルサクライザー ◆4PNYZHmIeM (ID: RggS8gWb)
モンスターハンター 〜星屑の瞬き〜
二十五章 新たな概念
龍歴院所属古代林調査隊より報告。
古代林に毒怪鳥ゲリョスが出現、毒による動植物の死滅の恐れがあるため、早急の依頼としてハンターズ・ギルドに通達。
ゲリョスの狩猟。
以上の報告と依頼を受けたシルバとユニの両名は、古代林でのゲリョス狩猟に赴いていた。
エリア6。
最初にエリア5で遭遇してから、一度エリアを移動、確実にゲリョスを追い詰めている。
「グワァァァッ」
ゲリョスは毒ブレスと呼ばれる汚物を口から吐き出し、それをシルバにぶつけようとするものの、似たような動きはイャンクックの火炎液がそれに当たるため、多少の勝手は分かっているつもりだ。
気味の悪い紫色をした塊を掻い潜り、シルバはゲリョスの足元に斬り込む。
今回、シルバが手にしているのは、いつものツインダガーではない。
龍歴院の調査隊が入手した化石を研磨、加工して武器に転用した、ベルダーダガー。 たかが化石と思うが、順調に素材を詰め込んでいけば、実は鉄や骨製の武器よりも遥かに高い性能を持つ場合があるのだ。
シルバが使用するそれは、ベアライト石を用いて強化するところまで漕ぎ着けており、より実戦的なモノへと生まれ変わっている。
「うおぉぉぉッ!」
狙いは腹下。
足は少し硬く、刃が通りにくいので、足ごと巻き込むように腹下に斬撃を浴びせるシルバ。
「ギョァァァッ」
ゲリョスは翼を広げると、前に向かって羽ばたき、風圧を起こしながら後方へ飛び下がる。
シルバは風圧に煽られて体勢を崩しかけたが、どうにか踏ん張る。
ゲリョスが着地しようとしていた瞬間、シルバの耳にユニの声が届いた。
「ごめんねシルバくんっ、ちょっと踏むよ!」
「えっ、踏むって……」
ユニの目的が分からないまま、シルバは後ろから踏まれるような感覚を覚えた。
「はっ!」
同時に、ユニはシルバの背中を踏み台にして、大きく飛び上がった。
「え、えぇ?」
シルバは俯せに倒れかけたがすぐに起き上がる。
ユニが、ゲリョスの頭よりも高い空間まで跳んでいる。
「せぇーっ、のぉっ!!」
その位置から、セロヴィセロルージュを振り回すユニ。ゲリョスが火に弱いため、以前に使用していたセロヴィセロを強化したものだ。火に弱い飛甲虫素材でなぜ火属性が放てるのかを疑問に思うのは野暮かもしれない。
ゲリョスの背中に火が躍り、ゴム質の皮を焼き焦がす。
「ギョォォォォォッ!?」
背中に思いがけない攻撃を受けて、ゲリョスは体勢を崩した。
着地すると同時に、ユニは会心の笑みを浮かべて、セロヴィセロルージュを背中に納め、体勢を崩したゲリョスの背中に乗り込む。
乗り攻撃だ。
ゲリョスが暴れ始める前に、シルバは距離を置き、そのゲリョスの背中にしがみついているユニを見上げる。
剥ぎ取りナイフで背中を刺しては引きを繰り返し、ゲリョスがユニを振り払おうと暴れればしがみつき、なかなか剥がれない。
一通り暴れたゲリョスは休憩で動きを止め、その隙をついてユニは再び剥ぎ取りナイフによる攻撃を続行。
背中の髄を傷つけられたゲリョスは、苦しげな声を上げながらその場で倒れる。
「はーいっ、お待ちどうさんでした!」
ゲリョスが倒れる寸前、ユニはゲリョスから脱出、剥ぎ取りナイフを懐に納めながら、セロヴィセロルージュを抜き放つ。
「ナイスだユニ!」
シルバは身動きの取れないゲリョスの後ろ、つまりは尻尾に回り込むと同時に鬼人化、乱舞を放つ。
ゲリョスの尻尾は特別よく伸びる資質があるらしく、切断系の武器には驚くほど弱い。
そのため、左右からのベルダーダガーの乱撃は、ゲリョスにとって耐え難いものだ。
そこから、さらに追い討ちが掛かる。
「いっくよぉー……」
ユニはゲリョスの頭の前に陣取る。
そして、彼女の中の"気"が爆発的に高まった。
「『音撃振』ッ!!」
烈迫の気合いと共に、ユニはセロヴィセロルージュを大きく掻き鳴らし、ゲリョスの側頭部に横殴りに振り抜き、掻き鳴らした音振が一気に炸裂し、破壊的な爆音を打ち鳴らす。
それら一連の動きがゲリョスの側頭部を捕らえると同時に、容赦なくゲリョスの脳髄に激震を喰らわせた。
「グワォ……グォォォォォ……、グゲェェェ……ッェ」
その強烈な一撃が決めてとなったのか、ゲリョスはその場で力尽きる。
だが、これで仕留めたと思ってはいけない。
ゲリョスは瀕死になると、非常に高度な死にマネをすることがある。
殺意や呼吸すらも完全に切ることが出来るため、死にマネをすると知らないハンターは大抵騙されて手痛い反撃を喰らわされた挙げ句逃げられるのだ。
シルバもユニも、そのゲリョスの厄介な得意技は知っている。
二人は顔を合わせて頷いてから距離を置き、シルバは腰から投げナイフを抜き、投擲する。
ゲリョスの顔に刺さるが、反応はない。
もう一発。今度は閉じられた瞼に突き刺さった。
どうやらゲリョス、死にマネをする暇もなく本当に絶命したようだ。
狩猟完了を念入りに確認してから、二人は剥ぎ取りにかかる。
「なぁ、ユニ」
「ん、なーに?」
シルバはユニに問い掛ける。
「さっきの、「おんげきしん」ってなんだ?」
何気なく問い掛けたシルバだったが、ユニはなぜか驚いたような顔をした。
「えっ?何って、狩猟笛の狩技だよ?」
そこに、シルバの知らない単語が混じっていた。
「カリワザ?なんだそれ」
「……………………………………………」
一瞬の沈黙が流れて、
「えぇーっ!?狩技って知らないのっ!?」
ユニは信じられないような声を上げた。
ゲリョスの気配が消えたと思って戻ってきたリセモトスの群れは、ユニの絶叫を聞いて何事かと振り向いたが、すぐに興味を失って食事に戻っていったーーーーー。
- 日時: 2016/03/01 12:37
- 名前: ダブルサクライザー ◆4PNYZHmIeM (ID: zwrKn0El)
モンスターハンター 〜星屑の瞬き〜
二十六章 よし、貴様の学習能力を見せてみろ!
ゲリョスの狩猟から帰還したシルバとユニは、報酬を受け取ってから道具などを自室に置き、それからベルナ村のあるところを訪れていた。
武具屋の裏手に構えている、少し大きな建物やテントが見えるところだ。
簡素な木製のドアを叩くユニ。
「きょーかーん!起きてますかー!?」
コンコンッ、ではなく、ドォンドォンッとドアを殴り壊すような勢いだ。
「我輩だ、教官だ!だからドアを壊すようなノックはするなと言っているだろう!貴様が壊したドアは全部我輩が自分で直しているのだぞ!?」
やめてくれと喚きながら、クロオビシリーズを身に付けた中年の男が出てくる。
「こんちわーっ!狩技学びに来ましたーっ!」
ユニは敬礼しつつ挨拶する。
教官はユニとその隣にいるシルバの姿を見比べて、
「年頃の男女が一緒に……リア充爆発せんかい!!」
などと口にした。
シルバは頭に「?」を浮かべ、ユニはそれを無視して用件を伝える。
「新しい龍歴院のハンターさんなんだけど、狩技知らないんだって」
「なぁにぃぃぃっ!?狩技を知らない、だと……!?」
教官は信じられないような声を上げながらシルバの方に向き直る。
「えっと、シルバ・ディオーネです。よろしくお願いします」
とりあえず名乗りつつ、頭を下げるシルバ。
「う、うむっ。我輩はこのベルナ村のカリスタ教官だ」
とにかく落ち着いてから、教官はいつも通りの尊大な態度で応じる。
「今から、ひよっこハンターの貴様に狩技のなんたるかを叩き込んでやろう!我輩からの教えを実践すれば、空の王者リオレウスもババコンガの屁のカッパ!」
それだけでリオレウスを狩れるなら誰も苦労しないのだが、そこは黙っておくべきだろう。
カリスタ教官の指示に従い、シルバとユニは早速訓練所の中に入る。
「ふむ、狩技の「か」の字も知らないとなれば、まずは基本の基本からだな。まずは生肉を剥ぎ取って、それを肉焼きセットで焼いてこんがり肉を……」
「シルバくん、帰ろっか」
「えっえっ……」
ユニはシルバの手を取ると、そのまま引いて帰ろうとする。
「待て待て、我輩のちょっとしたお茶目ではないか。ってか真面目にやるから帰らないで!」
泣いて引き留めるカリスタ教官。
ユニとシルバが足を止めるのを確認してから、カリスタ教官は態度を戻す。
「貴様は見たところ、双剣使いだな?ならば、最初に貴様に教えるのは、『血風独楽』だ!」
説明しよう!
『血風独楽』とは、双剣を構え前進しつつ、横回転による連続攻撃で対象を斬り刻む狩技。技の途中で二回、方向転換をすることが可能。元々は、とある部族に伝わる神への奉納の舞をモチーフに発案されたと言う噂。
一通りその説明を聞いてから、シルバは次の質問に入る。
「じゃぁ、その狩技ってどうやって使うんですか?」
「それはだな……」
カリスタ教官は戸棚を開け、使い古されたチェーンシリーズの防具と、ツインダガーを指す。
「今から身体で覚えてもらうのだ!」
訓練闘技場の中心には生肉を食べている赤ら顔の中型モンスターがいる。
跳狗竜ドスマッカォ。
マッカォ達のボスではあるが、ここのドスマッカォは捕獲されたドスマッカォを飼い慣らしているようなもので、実際の狩り場にいるドスマッカォよりも弱体化している個体である。
シルバはツインダガーを構えつつ、ドスマッカォと対峙する。
「「己の中で感じる"気"の高まりによって狩技は使える!」ってなぁ……ムチャクチャな説明じゃないか……」
まぁいいや、とシルバは気持ちを切り替える。
「とりあえず今は、お前を狩り倒す!」
「クワオォォォォォッ!!」
狭くも広い闘技場と言う中で、シルバとドスマッカォは激突するーーーーー
が。
「…………」
その三分後。
そこには闘技場の地面に横たわるドスマッカォと、息ひとつ切らしていないシルバの姿があった。
「……いくらなんでも、弱すぎやしないか?」
- 日時: 2016/03/02 16:01
- 名前: 翼の勇車 (ID: qROvPYl9)
翼の勇車嘆きのss
「畜生……」
とある辺境の地。人間も、モンスターも、生物ならおいそれと辿りつけないようなその地にて――一台の戦車のような巨大建造物が、竜のそれのような前足で頭を抱えていた。
「どうしろってんだ……」
その名は翼の勇車。遥か太古の技術によって生み出された勇車へ、さらに現代の科学力を錬金という形で融合した空を飛ぶ巨大戦車――なのであるが、彼は今、そんな壮大な自らの生い立ちなどどうでもいいと言わんばかりに盛大に悩んでいた。一体何が、彼をそんなにも苦心させているのか。傍から見ているだけでは到底分からないだろう。
「文字数オーバーじゃねぇか……」
彼が自らの内部に搭載されている制御コンピュータをインターネットに接続し見ていたのは、とある掲示板のスレッド。ウィンドウを複数展開して作業を行っていた彼の意識の先に赤く表記されていたのは、『残り文字数:0』という簡潔な一言であった。
「これ以上どうやって切り詰めろってんだぁ!?」
全身のモーターをギュルンギュルン言わせ、関節部分から水蒸気を吹き上げながらガックリと項垂れる。内部画面に浮かんだウィンドウのいくつかが、右上の×印を押されて閉じられていった。
彼は古代と現代の高度な科学を融合した兵器である。しかしそれと同時に、ネット小説作家という肩書きを持っていた。最初のころはのんびりと気ままに書いていたのだが、このところは専門サイトでの投稿なども行い、少なからず評価も獲得できるようになった駆け出し作家なのである。そして彼が見ていたのは、自らの小説デビューの場であるモンスターハンター小説スレッド――の、後継スレッドである。既に五代目にも及ぶこのモンハン小説スレッドであるが、何を隠そう、その五代目のスレッドを立ち上げたのが彼なのだ。
「有難いよ……シリーズ引き継いだからとはいえ、自分の立てたスレに人が来てくれるのは素直に嬉しいよ!」
自らの作家としての成長の場であるこのスレッドの主を引き継げるというのは、彼にとってとても光栄なことであった。最も、先代の主に許可を取ったわけでもなく勝手に作ったのだが。それでも過去にシリーズで活躍していた作家は勿論、新人の作家も次々とこのスレッドへと集まり、盛り上げてくれていた事が彼には嬉しかったのだ。しかし……。
「 でもさぁ!」
黄金に輝くその竜の尾のような部位を、地面へと叩きつけ、空を仰ぎ見る。
「目次作るのに文字数制限、少なすぎるんだよぉぉぉぉぉ!」
荒野に、竜とスライムを模した巨大兵器の咆哮が木霊した。
――――――
はい、というわけで、とうとう目次の文字数が上限である3000文字を突破いたしました。これだけの文字数に至るほど沢山の作品を皆さんが投稿してくださったという事で嬉しい気持ちで一杯なのですが、この先どうやって目次を表記していくのか悩みに悩んでいる次第です。
ひとまず目次は更新しますが、途中までとなってしまっておりますのであしからず……。
- 日時: 2016/03/02 16:48
- 名前: ダブルサクライザー ◆4PNYZHmIeM (ID: BisLKRCn)
>>260
目次はこれ以上無理として、現行作品を進めるしかないですね。
特にクロスオーバーとか。
強いてなら、年越しとバレンタインデーは消しても問題無いのでは?あれは一種の茶番みたいなものですし、EXTENDEDさんとの合意があれば削除してもいいかと。
最悪、僕の短編シリーズを消して本編だけ載せるってのもアリですが。
- 日時: 2016/03/02 16:52
- 名前: EXTENDED ◆FGU2HBsdUs (ID: G2XP2nD6)
>>260
あれだ、俺の作品の本編以外全部爆☆殺で文字数を稼ぐんだ!
でももうひとつの村最終攻略は残して…
目次更新お疲れ様です。
- 日時: 2016/03/02 18:43
- 名前: モンモン (ID: VoHdoYCv)
翼の勇車さん
僕の作品のミス直して頂きありがどうございます。
僕の作品、見つからないもの探すもの消して目次数稼いで下さい!!。
これは提案なのですが、普通のレスで目次更新をしてそれをしたレス番号を目次更新パート2としてタイトルの目次に載せるのはどうでしょうか?
目次更新お疲れ様です。
- 日時: 2016/03/02 23:57
- 名前: EXTENDED ◆FGU2HBsdUs (ID: G2XP2nD6)
一度のレスに乗せることの出来る安価はやっぱり5のままだったよ…。
こりゃある意味詰んだか?
- 日時: 2016/03/03 08:40
- 名前: 翼の勇車 (ID: xwA9Du5v)
皆さんご心配、提案ありがとうございます、お陰様で……かなりの妥協ではありますが、解決策が思い浮かびました!
勇車「まずそれぞれの作者さん、ないしは作品用のレスを用意するやろ?」
?「用意するめう」
勇車「そのレスに目次の続きを書き込んで、レスアンカーにはせず数字だけ表記する。で、そのレスをメイン目次に安価」
?「安価」
勇車「あとは各作品の目次レスにある数字を頼りに自力で探してもらう! めんどくさくはなるけどこれで持つはず!」
?「やっためう! すごいめう!」
- 日時: 2016/03/03 09:48
- 名前: ダブルサクライザー ◆4PNYZHmIeM (ID: mNMWf5OW)
モンスターハンター 〜星屑の瞬き〜
二十七章 君を想う
それから、何度か訓練を行ってみるのだが、一度もシルバが狩技が発動することはなかった。
「ムゥ……ここまで狩技が使えないハンターがいようとはな……」
さすがの教官もこれには苦い表情を浮かべるばかり。
シルバも何度もドスマッカォと相対したせいで顔には疲労の色が見えていた。
「気の高まり、なんて感じないじゃないか……」
大きく溜め息をつくシルバはツインダガーとチェーンシリーズを外して教官に返すと、どっかりとその場で座り込む。
「俺って、狩技の才能無いのかな……?」
「落ち込んじゃダメだよ、シルバくん。ほら、これ飲んで元気出して」
ユニはシルバが訓練を行っている間に元気ドリンコを持ってきたらしく、それを差し出す。
「あぁ、ありがとうユニ」
ビンの蓋を開けてクイッと一息で仰る。
一息を着けてから、シルバはユニに話し掛ける。
「ユニはさ、狩技を使う時ってどんな感じなんだ?」
「んー、どんな感じって訊かれても、そう言うのあんまり意識してないかなぁ。「あ、今なら空を飛べる!」って気分になってる時に使ってる、かな?」
「空を飛べるって気分か……」
全然分からない、と余計に肩を落とすシルバ。
「ま、まぁ、今日はなんか調子悪かったんじゃないかな?」
「うむ、誰にでも調子の出ない日もある。そんな日はさっさと寝るに限る!我輩は飲み暮れて嫌なことを忘れるが、貴様らはまだお子さまだ。お酒は二十歳になってからだぞ!」
シルバとユニはお互い一度自宅(シルバは借家だが)に戻って、入浴を終えた頃にはすっかり日が沈みかけていた。
タオルで髪を拭きながら、シルバはふと呟いた。
「そういや、飯まだだったな……」
食材って何が残ってただろうか、と思い出そうとしたところで、ドアがノックされる。
「シルバくーんっ、ごはんってまだでしょー?」
ユニだ。
頭にタオルを乗せたまま、シルバは玄関の戸を開ける。
湯上がりで色々と魅力が引き立てられているユニにちょっとだけ心を揺さぶられたのはなんとか隠しておく。
「ん、まだ今から作ろうかなってところだった」
「今日は、シルバくんもおかみさんのとこで食べよ?」
彼女の言うおかみさんとは、ここベルナ村で料理屋台を営んでいるアイルーのことだ。
実のところ、シルバは自分で作っていたため、おかみのところで食事をしたことはない。
「おかみさんのとこで?あぁ、分かった」
少額の小銭を懐に忍ばせ、シルバはユニと屋台へと足を向ける。
「おや、今日は二人でお食事かニャ?」
いつもはユニ一人だけだが、今日はシルバも一緒。
シルバは初めてなので勝手が分からず、とりあえず着席。
ユニは慣れたようにオーダーを頼む。
「まかない飯、二人分ねー!」
「はいはい、少々お待ちニャ」
それだけ聞いて、おかみは調理にかかる。
「とりあえず、まかない飯でいいよね?」
「それ言う前にオーダーしたじゃないか……」
まぁなんでもいいけどさ、と差し出されたお冷やを口にするシルバ。
「ふぅ…………」
「やっぱり、狩技が使えなかったってこと、ショックだった?」
心なしか気持ちが沈んでいることを察知したユニは心配するように顔を覗き込む。
「それもあるんだけどさ……」
お冷やのコップをテーブルクロスにおく。
「エール……俺が少し前まで組んでたハンターのこと、思い出してたんだ」
「あー、料理がとっても上手い、シルバくんの彼女さん」
「だから違うって」
なんと言うか、ユニの冗談めかした会話に慣れてしまっている。
「俺のせいで大怪我して、それで療養のために実家に帰ってるんだけど……どうしてるのかなぁって」
エールがシルバの代わりにドスガレオスの砂ブレスを受けて重傷を負ったあの瞬間は否応なく覚えている。
「会いにいかないの?」
どうしているのか知りたいなら、会えばいいとユニは言う。
「大怪我負わせた相手に、おいそれと顔を合わせられるかよ……」
「…………」
ユニは困ったように眉をしかめた。
どうしているのか知りたい気持ちと、大怪我を負わせた気の悪さの板挟みだ。
だが、ユニは優しく諭すように答えた。
「きっとその人、怒ってたりしてないよ?」
「え……?」
「大怪我するかもって分かってて、シルバくんを守ろうとしたんでしょ?だったらなおさら、会いに行ってあげて、「俺は元気だぞ」って伝えてあげなきゃ、ね」
ユニは笑顔で頷いてくれた。
「(会っちゃいけないって思ってたのは、俺だけだったのか?)」
エールは自分のことを悪く思っているとばかり思っていたが、ユニのその言葉で捉えていた視界が変わったように感じた。
守ってくれたのだから、悪く思っているはずがない。
「……なんかよく分からないけど、ありがとうな、ユニ」
「いえいえ、どういたしまして」
それから数分後、おかみからのまかない飯を頬張りながら、シルバはある決意をしていた。
ユクモ村へ行こう。
そして、エールともう一度会うのだとーーーーー。
- 日時: 2016/03/04 10:27
- 名前: 一方通行 (ID: 4CYv60Tc)
新訳とある魔術の禁書目録15巻4月発売。やったぜ。
モンスターハンター〜狩人としての責任〜
第四話 対をなす存在2
「紅龍…?」
少しおびえた様子で言うシズ。
「それって、あの紅龍か?」
「…」
団長の言葉に無言で答えるサグ。
業火の中に一人で立つ少年を見て。
「……へっ、お仲間さんか?」
歳は18歳ぐらいといったところか。
嘲笑うように問いかけてくる。
「……」
無言で踵を返す。そんなサグに、
「何か言えよボケ」
と言い放ったその時。
手をサグの方へ向る紅龍(?)。
すると、
ドオォォォォォォォン!! と。
サグの真上に巨大な火球が凄まじい速度で降ってきた。
「言いたいことはそれだけか」
だが。
その火球を真上から受けても全くの無傷。
体に赤い雷を纏いつつ歩く。
「やっぱ化け物と称されたほどはあるな」
「お互い様だろ」
それだけ言うとサグは背中に三メートルほどの白い翼を生やし、音速と言わんばかりの速度で紅龍(?)のもとへと突っ込んだ。
サグはそのまま雷を帯びた手を紅龍(?)の顔面へと叩き込む。
普通なら拳の一発や二発ぐらいは我慢できるだろう。
だが音速でその行動を取ったら。
ッッッッドン!! と。
少し遅れて音が聞こえた。
殴り飛ばし強引にそこにある岩に叩きつけた。
粉塵が舞う中、その白色を破るように、赤みを帯びた三メートルほどの翼が生えてくる。
「結局よぉ」
不気味かつ優しく滑らかな。
「お前は本当に甘いんだな」
そんな感じの声で話しかけてくる。
「サグ、アイツは何なの!?」
「あれは紅龍。破壊の化身よ」
シズの問いにサラが答えた。
「黒龍の破壊の化身。だけどどうして『祖龍』のサグを恨むのかしら?」
「言ってる暇で逃げろ」
サグが会話を遮る。
「……わかったわ」
別のエリアへシズ達を退避させる。
「おーおー痺れるねぇ祖龍さん」
その顔に不気味な笑みを浮かべ。
両者は音速を超える速さでぶつかる。
続く
あとがき
お久しぶりです皆さん。
とは言っても結構ペースいいと思うんですけどね。
さて、今回は紅龍を出してみました。
圧倒的な強さ、絶望的な力、燃え尽きるほどの業火。
そんな感じです。
紅龍戦が終わったらほのぼのかつ少しHなパートも出してみようかなぁ、と思ってます。
さて、今回はこんなところで。目を通していただければ幸いです。
スレを立ててくださったこれまでの皆様、そしてこのスレ主の翼の勇者さんには感謝を。
まだミスも多いですが温かい目で見ていただければ。
それでは。
金欠ゥ!!
- 日時: 2016/03/05 14:22
- 名前: ダブルサクライザー ◆4PNYZHmIeM (ID: LqNP2qOZ)
モンスターハンター 〜星屑の瞬き〜
二十八章 遠路遥々ドンドルマ
ドンドルマ。
険しい山々の中に切り出して作ったような街で、数多くの街の中でも最大級の規模を誇る。
山々そのものがモンスターの侵入を阻む一方、唯一南側が平地ではあるものの、街の中で併設されている古龍観測所が24時間体制で古龍や危険なモンスターの動きを捉えており、それらの接近にはバリスタや大砲、撃龍槍などを用いて迎撃を行う。
つい以前までは、街が壊滅的な被害を受けたために復興作業を続け、筆頭ハンター達や『我らの団』の尽力によって、かつての栄華を取り戻した。
現在では狂竜ウイルスの研究にも大きく力を入れており、黒蝕竜ゴア・マガラ等の戦闘で入手した狂竜結晶の類いは全て、ギルドへの提出が義務付けられている。
今日も今日とて、ドンドルマは多くの人々が行き交い、賑わう。
そんな中、一機の飛行船がドンドルマに訪れていた。
飛行船の着陸場に無事に着陸した。
「お客さま、ドンドルマにご到着ですニャ。お忘れものの無いよう、お願いしますニャ」
飛行船のガイドを勤めるアイルーが一礼。
「ん、ありがとう」
「お勤めご苦労であーるっ」
飛行船の中より、一組の男女が顔を出す。
「へぇ……ここが、ドンドルマか」
男の方はシルバ。
「私も何度か来たことはあるけど、やっぱり大きさに圧倒されちゃうわけで」
女の方はユニ。
「シルバくん、荷車降ろすの手伝って」
「おっし」
シルバとユニは、飛行船の中に積んである荷車を引っ張り出して、地面に降ろす。
なぜこの二人がドンドルマに訪れているか。
それは、数日前に遡る。
「定期納品?」
三日ほど前のある夜、シルバはユニに呼び出されていた。
「うん、古代林でしか取れないゼンマイとかシメジとかあるでしょ?それを、ドンドルマの方で買い取ってもらうの。所謂、交易だよ」
「なるほどな」
龍歴院への納品が基本である特産ゼンマイや深層シメジだが、時々にドンドルマでも需要があるらしく、それらを届けるのも龍歴院所属のハンターの仕事らしい。
「それでね、明日の朝にドンドルマ行きの飛行船が出るから、それに乗るの。けっこう早い時間なんだけど、大丈夫?」
「早起きは得意な方だから大丈夫だ」
と言うわけで、数日かけて飛行船で過ごし、今朝にドンドルマに到着したわけだ。
シルバが荷車を押して、ユニが案内。
「(なんて言うか……)」
荷車を押しながら、シルバは胸中で溜め息をつく。
擦れ違いながら、主に男からの視線を感じる。
その視線の先のほとんどは、ユニに向けられている。
「(ユニが一緒だと、目立つな……)」
十人中、十人が認めるだろう、ユニの美貌。
それは、このドンドルマでも同じであった。
「〜♪」
当の本人はそんな視線など気にしていないようで、鼻歌を口ずさんでいる。
続いて、シルバに注がれるのは羨望と嫉妬の視線、否、死線。
「(さっさと帰りたいな……)」
いつまでもこんな死線は浴びたくない。
ユニの先導によって、大衆酒場へと入る。
酒場の中は、アルコールやタバコ、肉の油や香辛料の臭いが混ざりあって、何とも言えない悪臭を漂わせている。
荷車が酒場に入ってきて何事かと思う者もいたが、すぐに興味を失っていく。
酒場の受付嬢の一人が、ユニに応対してくる。
「はいはーい、今日納品の龍歴院のハンターさんね。こっちこっち」
厨房の方に案内され、そこで積み荷の納品を行うのだ。
検品は立ち会いの元で行われ、ユニは納品書を受付嬢に渡し、数人体制で検品されていく。
「特産ゼンマイ100本、深層シメジ50本、ベルナス20本に、高原米20kg…………はい、全部納品予定通りよ」
ユニの納品書に検品完了のサインが書き込まれ、ユニはその半券を控えとして渡す。
「いつもありがとうね。ベルナ村とか古代林の食材って珍しいから、すぐ売れて無くなっちゃうのよ」
「いえいえ、こちらこそ〜」
ユニは慣れたものか、特に緊張もなく応じている。
「良かったら、ゆっくりしていってね。あんまり落ち着くような場所じゃないけど」
納品を完了してから、シルバとユニはお言葉に甘えて酒場の席に着いていた。
「なぁユニ、これってオーダーとかしなくて良かったのか?」
「私みたいな龍歴院のハンターさんはお得意様だからね、格安でここの高いメニューをお任せで食べていいことになってるの」
これが楽しみだったの、とユニは悪戯っぽい笑みを浮かべる。
「それにしても、すごい場所だよなぁ。ここって……」
何人ものハンターが依頼を受けては帰ってきて、そして飲めや食えやの騒ぎ。
ココツト村やベルナ村では見られないほど賑やかな光景だ。
「んー、でも、私はここの料理食べたら早いとことんずらしたいけどね」
頬杖をついて溜め息をつくユニ。
「何でだ?」
ユニのことだから、しばらく滞在したいと言いそうなものだが、その胸中はシルバと同じだったようだ。
「だってねぇ、こう言うところにいるとね……」
そこまでユニが言いかけたところだった。
「よぉ、そこのお嬢ちゃん。可愛いね」
「俺らとちょっと遊ばねぇか?」
その声に振り向くと、どこからどう見てもガラの悪そうな男ハンター二人組が絡んできていた。それぞれ、ガレオス装備とコンガ装備を纏っているところ、力量そのものはシルバやユニと大差無さそうだが。
そう言うことか、とシルバはユニの心情を察する。
「そこのガキなんかほっといて、よ!」
コンガ装備の男の方はいきなりシルバを突き飛ばす。
「いでっ……!?」
突き飛ばされたせいで席からずり落ちるシルバ。
「ちょ、ちょっと、いきなり何なの!?」
ユニは席を立って、シルバを攻撃した男の方に非難の目を向ける。
「だから言ってるだろぉ?お嬢ちゃんにゃ、ガキなんざより俺らみたいな大人の男が似合うんだよ」
ガレオス装備の男の方はユニを掴もうとするが、その手をはね除けたのは起き上がったシルバだった。
「いきなり人のこと突き飛ばしといて何が大人だよ、あんたら……!」
「ガキはすっこんでろ!」
今度は腕の防具で頬を殴ろうと拳を振り上げるコンガ装備の男。
だが、その手は止められた。
「やめなさい」
酒場に届く凛とした少女の声。
「その方が何をしたと言うのです」
声の方向には、深緑の鎧を纏った、桜色の髪の美少女がいたーーーーー。