Re: モンハン小説を書きたいひとはここへ! 五代目!( No.142 )
  • 日時: 2016/01/12 01:03
  • 名前: EXTENDED ◆FGU2HBsdUs (ID: DttKkJRF)

第47話 酸素玉

〜エリア11〜

「ゲホッゲホッ!!」
師条より先に水面に上がった涙那だったが、無理をしたため息が苦しい。
エリア11には陸がないため、蔦や岩に捕まるしかない。なんとかして動かなければ…しかし思うように体が動かない。先ほどの突進によるダメージがまだ残っている
…もう無理なのか?
そう考えていた時だった

「ニャー!!これを飲むんだニャー!!」
聞き覚えのある声が耳に入ってくる。その方向にいるのは…キャロだ。涙那のことが心配でここへやってきたのだ。そして手に持っていたある物を涙那へ渡す。
「キャ、キャロ?!わ、分かった」
ある物をキャロから受け取った涙那はすぐにそれを飲み込んだ。
キャロが持ってきたもの…それは酸素玉だ。本来なら水中で使用するものだが、酸素が欠乏している状態でも有効なものである
飲み込んですぐに効果は現れた。不足していた酸素が全身に回り、体は支障なく動かせる。もっとも、突進のダメージは残っているのだが
「ありがとう、助かったぞ…」
「ニャ!主人を助けるのもオトモの役目ニャ!蔦はこっちニャ、先導するニャ!」
「ふふっ…」
キャロについていき、蔦を掴む。これで体を休める事ができる。
次に回復薬を飲んでおいた。これでダメージをある程度抑制できるだろう。

「ブハッ!!あぶねぇ…」
少しして、師条も水面へ上がってきた。危ないとはいっているが、それほど欠乏している様相は見せていない。ちなみに狂竜病克服状態はまだ残っている。
「師条殿、ロアルドロスは向こうに逃げたみたいだぞ」
「あぁ、分かっている…」
一応撃退したとはいえ、ロアルドロスをまだ狩猟してはいない。さらにそれが逃げた先はエリア10…彼ら以外が集まっている場所だ。
もっとも、BLAZEがいるから何とかしてくれるとは思うが、安心は出来ない。今すぐそちらへ向かわなければ…

『―こっちにこい』
「!?誰だ!!」

とその時、誰かが師条を誘うかのように呼び出した。あたりを見渡してもこのエリアからは何も感じない。

「師条殿…?」
「どうかしたのニャ?」
その声はどうやら師条以外には聞こえていないらしく、涙那もキャロも突然の出来事に頭をかしげている。

『エリア12…はやく来い』
「ちっ!涙那、キャロ…悪いが俺はあっちにいく。お前達はエリア10を頼む!」

そういって彼はロアルドロスが逃げた方向は反対のエリア12へと泳いでいった。
その速度はまるでガノトトスが突進をするくらい速かったとか…

「師条殿…?」
「今はエリア10にいくことが先決ニャー!」
「そ、そうだな。」
残された涙那とキャロはロアルドロスを追う…


〜エリア12〜

謎の声に呼ばれ、師条はエリア12に到着する。
こっちにこいといわれたからには誰かいるのだろう、そう思っていたのだが…

「…だれもいねーじゃねーか!!!」

そこには誰もいなかった。少し前に来た時と変化がない。
特に誰かいるわけでも、モンスターがいるわけでもない、無人の空間…さっきの声は幻聴だったのか?
そう思いながら来た道を戻ろうとしたときだった

「ん…?なんだあれは?」

ふと振り返ろうとした時、ある物の一部分が見えた。さっきまでなかったはずの物…師条はそれに近づく。
…その正体はネックレスだった。手にとってみると焔の力を感じ取る事ができる。保存状態も悪くない。ただなぜ海辺に落ちているとは考えにくいうえに、ここに流れ着くとは思いにくい。
ならば誰かの所有物…?と考えるのが妥当だろう。しかしなぜ…さっき見落としていたのか?

「…BLAZEに見せたほうがはやい」

自身で考えても答えがでてこない。ならばBLAZEに見せてみることにする、それが師条なりの判断だった。彼はそれを懐にしまい、エリア12をあとにする…