Re: モンハン小説を書きたいひとはここへ! 五代目!( No.79 )
  • 日時: 2015/12/27 10:05
  • 名前: ダブルサクライザー ◆4PNYZHmIeM (ID: 11HA0dvt)

 モンスターハンター 短編小説シリーズ

 〜星屑の瞬き〜

 雪山を闊歩する巨駆。
 四本の脚で、雪を踏み締め、一歩の度に地を揺るがす。 
 まさしく、巨獣。
 地が揺り動かされれば、山の中にも震動は響く。

 その震動を敏感に感じ取り、眠りから目覚める絶対強者。
 誰かが自分の縄張りに堂々と入ってきている。
 長らくここの支配者であった絶対強者にっては初めてのことだが、関係ない。
 自身の力を示すため、絶対強者は洞窟から這い出る。

 巨獣は、上空からの気配に気付く。
 雪風を切り裂きながら、褐色が飛び降りてくる。
 絶対強者はその落下の勢いのまま、巨獣に取り付き、牙を降り下ろす。
 ドスギアノスなどであれば一撃で死に絶える牙すら、この自身の倍はある巨獣は物ともせずに振り払った。
 雪の上を無様に転がらせた絶対強者だが、すぐさま起き上がり、殺意を向け直す。
 なかなかどうして、やる。
 絶対強者は咆哮を上げるなり、突進を敢行する。
 対する巨獣も、その鼻を振り上げて咆哮を上げた。
 次の雪山の支配者は、どちらかーーーーー。





 渓流に、白紫のしなやかな狐は眠っていた。
 泡を漂わせ、月明かりの下で眠っていれば、泡の一つが蟲に触れて割れる。
 泡狐はそれに気付いて、外敵がいることを察知、目を覚ます。
 目を開ければ、無双の王者が迫っていた。
 蒼碧の雷を纏う無双の王者は、土足で人の縄張りに入るなと言わんばかりに爪を降り下ろす。
 が、泡狐は舞うようにそれを往なし、空振りした無双の王者に後ろに回り込む。
 無双の王者はすぐに振り返ろうとしたものの、そこに滴る泡に脚を取られた。
 厄介な招かざる客だ。
 無双の王者は跳躍し、尻尾を叩き付けようとするものの、泡狐はこれも往なす。
 月下の渓流に、新たな王者が決まろうとしていたーーーーー。





 蒼空には、二つの色が交錯していた。
 片方は赤。空の王者と言われる火炎の竜。
 もう片方は翠。蝶の翅のような翼に、鋏のような尻尾、斧のような頭部に翠光を纏う、電。
 空の王者が火炎を吐き出せば、電もまた雷を吐き出す。
 爪を用いての直接攻撃は絡み合い、そのまま森の中へと落ちていく。
 森を薙ぎ倒しながら、電は空の王者を追い詰めるものの、空の王者も負けじと反撃を喰らわす。
 この空は、誰のものかーーーーー。





 古代林。
 龍歴院が積極的に探索、調査を進めている深層区域で、この地特有のゼンマイやシメジなどが採れる。
 また、古代生物の化石なども数多く発見されており、専ら研究対象とされている。
 その古代林の深層。
 鬱蒼とした木々の中で、藍色の巨駆は蠢く。
 大剣のような尻尾を持ち、その尻尾そのものは牙によって研ぎ澄まされていく。
 斬竜。
 文字通り、研ぎ澄ました尻尾で全てを薙ぎ倒すことからその銘が付けられたモンスター、ディノバルド。
 それに立ち向かうのは、人間。

 シルバ・ディオーネ。
 エール・エスト・レイア。
 ユニ・ガブリエル。
 メリッサ。

 彼らの前に待つのは、生きる喜びか、死の恐怖か。
 
 これは、星屑の瞬きのような、一瞬の物語であるーーーーー。





 モンスターハンター 〜星屑の瞬き〜

 2016年、連載開始。