最終話です。
〜見つからないもの 探す者〜
最終話 探すモノ
「自分でも分かっているだろう!ミクル!」
会議室の奥から甲高い声が聞こえる。
そこにはミクルと、男が立っていた。
その男は、背が高く黒いスーツと藍色のネクタイをし、黒髪をワックスで固めている。
「俺は悪くない。」
ミクルがそう言いながら、部屋を出ようとした時。
「うわっ!」
突然その男はミクルの肩を掴み強引に自分の方を向かせた。
その行動にミクルも驚いたのか口ごもってしまった。
「もう、やめよう。探すのは。」
そう、男が言うとミクルはしゃがみ込んでしまった。
ミクルの姿を見た男は、おもむろにスーツの胸ポケットから一枚の写真を取り出した。
その写真を見たミクルは涙を流してしまった。
「父さん、父さんどこにいるんだよ...」
「もういいんだ、お前の父さんもお前が立ち直る事を願ってる」
「ウゥ、ウワァァァ。」
部屋にミクルの泣き声が響き渡る。
そして、男は泣いているミクルを優しく包み込むように抱いている。
「お前が、探されるものだったんだよ。」
終わり...
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