「よっ!お前もしかして暇か?」
ビクッ
スルガは後ろから声をかけられた。確かにそうだ。
暇だ。
誰にも声をかけることも無く、ひねくれていた。
「ええと…何でしょうか…」スルガがその青年に対していう。
…しまった おじけずいてしまった
「なあお前、俺と一緒に狩りに行かねえか?」
運命とはわからないものだ。スルガはその青年にどこに行くかを聞こうとしたら、その青年は率先して、
「俺、ゲリョス亜種が倒せなくてよお。でも誰も手伝ってくんねえんだ。28人のハンターに頼んだんだぜ?それでも同行する奴がいねえんだよ。なあ、頼む、お前しかいない!!!」
スルガも少し驚いた。この真剣さ、マジだ。
「ああ、うん僕で良いなら別に…」
青年は頷く。
「よし、決まりだな!早速頼んでくるぜ!」
猛烈なダッシュ。ブルファンゴみたいだ。
許可を貰い、狩場までの荷車に乗る。
ガタンゴトン ガタンゴトン ガタンゴトン ニャ〜
今鳴いたのはアイルー。アプトノスの荷車を運転している。
青年が沈黙を破るように口を開く。
「なあ、お前何て言う名前だっけ。」
「?」
スルガはキョトンとした。これから行く狩場で死ぬかもしれないんだぞ?
「ああ、いや何っつうんか、ほら協力とかするために名前は必要だろ?」
そうか、そうだったな。
「僕の名前はスルガ・クーレウス。スルガで良いよ。」
そこで青年も反応し、
「俺はセイル。セイル・テルキオっていうんだ。よろしく。」
「こちらこそ。」
スルガは返した。
雰囲気は和んだ気がする。
だが、その時、風景に穴が空いた。いや風景に突然空いたのではない。空いていたのだ。もともと地面に、ぽっかりと。
「おい、スルガすげえな。」セイルが驚く。
「あれ、セイルは見たことがないんだっけ。」
僕は下位ハンターの時に何度も見た。何故ならそこが狩場だから。
「ン…俺はここの地方のハンターじゃなくてなベルナ村っていう小さな村の出身なんだ。」
聞いたことない村の名前だった。セイルは遠くからバルバレに来たのだろう。スルガはそう思った。
そして大きな穴は目の前に。
「あれ?ゲリョス亜種はどこだ?穴とアイテムボックスとベットしかないぞ?」
「飛び降りるんだよ。」スルガはセイルに説明する気持ちで言った。しかしセイルは、
「??????」
わからないらしい。
「もう行くね。お先に。」ボックス内の地図を取ったスルガは穴に飛び込む。
「ええええええええええええ?????!!!」
セイルは驚きを隠しきれない。
「飛び込むだなんて…」
スルガは飛び込む瞬間、普通ばらばらに分かれて狩りを始める上位なのに一緒に、しかもベースキャンプで出発してしまうなんて…と思った。果たして幸運なのか、不幸なのか。
「高いいいいいいいっっ!!!」
セイルが叫ぶ。