1:出発
「ウオオオォォォォンンッッ」ダレンモーランが唸りを上げる。
砂漠。砂の色は赤っぽい橙色。そして、それと同じ、いやそれよりも鮮やかな橙色の巨体がその砂上に寝転がっている。
豪山龍ダレンモーラン。
スルガ・クーレウスという名の青年は、その大地そのもののようなモンスターを倒したのだ。
「8回も剥ぎ取れるのはいいけど、ポーチに収まるかなぁ…」スルガはつぶやく。
そしたら、スルガの隣にいたハンターが、
「良かったじゃねえか。古龍相手に五体満足でよ。」
彼の名はトガ。スルガの狩りを今まで手伝っていた。ただし、上位に上がるまでという条件付きだが。
「じゃあ、もう俺はここでお前と別れることになるな。」
「ですね。」スルガはそう答えるしかなかった。
寂しさは残る。
別れは出会いと隣合わせ。文句は無い。
これからスルガはバルバレで上位に立ち向かうことになる。
一方のトガは、ドンドルマに行くらしい。
今まで世話になったから、何かお礼をしたい。
彼にマンドラゴラを渡した。
笑って受け取ってくれた。
これから一人になる。運命はどう動くかわからないのに。