モンスターハンター
〜猛者たち〜
11話「暑さとのお別れ、」
早朝、ギルドマスターに呼び出されハンターズギルドに赴く。
ラキア「なにかあったんですか?こんな朝早くから。」
あくび混じりに喋ると、マスターがほっほほと笑う。
ギルドマスター「今回もいきなりすまないね、実は昨日言うべきだったんだがお疲れだと思ってね、言わなかったんだけども・・」
また狩りの依頼かな。そう思っていたが、
ギルドマスター「君のお父様から昨日手紙が届いてね、砂漠だけじゃ飽きるだろうからもっと遠くに行ってこい!!...って書いてあってね。」
なんだそりゃ、お前がバルバレ行けとか言ってたくせに、今度はもっと遠く行け!かよ。
というか、そんな文をマスターに読まれたとなると恥ずかしくてたまらない。
ギルドマスター「そこで、提案なんだが、ラキア君は『雪』を見たことあるかい?」
雪か...父に聞かされただけで、実物を見たり、触ったりはしたことがない。夜に急激に寒くなる砂漠でも、さすがに雪は降らない。
ギルドマスター「ちょうど、ポッケ村に行く飛空船が今日あってね、それに乗せてってもらえばいいと思ったんだよ。」
ポッケ村...たしか雪山にある村だったか...
ラキア「でも、どうしてそんな雪山に行く飛空船が今日あるんですか?」
ちょっとね...とギルドマスターが小さな声で言う。
ギルドマスター「雪山観測隊が訳ありで砂漠に来ていてね、今日本部に帰るんだよ。」
訳ありってなんだろう、すんごい気になる。
ギルドマスター「それに、君と同世代のハンターもいるからちょうどいいと思ってね、ほら、そのハンターがきたよ。」
振り向くとそこには、昨日部屋に入る前にあった、白と黒の防具を纏ったハンターがいた。
ラキア「お、お前は!!」
反射出てきた言葉にマスターが、知り合いかい?と聞いてくる。
ラキア「いえ、昨日あったばかりです。コンナヤツ(ボソッ)」
聞こえたのか、こちらを睨んでから、通りすぎていく。
???「ギルドマスター、何か御用ですか?」
こいつもマスターに呼ばれたのか。と思っていると、
ギルドマスター「ごめんね、急に呼び出して、実は頼みたいことがあるんだ。
そこにいる彼を一緒に連れていってくれないか?」
振り向いてこちらを見る。怪訝な顔をしている。
???「こいつを、ですか?」
はぁ〜とマスターがため息を着く。
ギルドマスター「何があったか知らないけど、ハンター同士仲良くしないと生きてけないよ。ほら、自己紹介して。」
白黒ハンターが渋々、自己紹介をする。
レルロ「レルロ、レルロ・ラ・フランツです。」
あんまし聞かない名前だな。
ラキア「俺はもう、昨日言ったから覚えているよな?」
しかし、手を顎に添え、考える体制になった。
まさか、覚えてないのか?
レルロ「すみません、忘れてしまいました。」
なんだと!!と喧嘩腰になるが、さすがにマスターの前ではやめといた方がいいだろう。
リオン「こいつはラキア・ラウギス、僕はリオンだニャ。」
リオンも俺のことをこいつ呼ばわりかよ...
レルロ「ラキアとリオン...ですか。それではギルドマスター、これで失礼します。」
はいはい、ご苦労様とマスターが言い、レルロはハンターズギルドを出ていく。
ギルドマスター「すまないね、彼はかなりの人見知りでね。最近はマシになってきたと思うのだけども。」
人見知りか、子供のころずっと一人でいたのか?
ギルドマスター「荷物はこちらでまとめていくから、君は足りない物や貴重品をまとめておいてくれ。」
分かりました、と相槌をうち自分もハンターズギルドをあとにする。これからうまくやっていけるのだろうか。