もうひとつの物語、外伝
〜村最終クエストの洗礼〜
終焉を喰らう者編
「で、次はてめぇがいくのか?あぁ?」
「こんな状態でいけるかぁあああああ!!!!」
残るクエストは二つとなっている。その担当の一人である地だが…さっき残妖、霊華、冥花にビンタを喰らい、そのあと激昂状態の碧からこれでもかというほどツッコミをぶち込まれている。満身創痍というわけではないが、まぁこの状態だとさすがに無理がある
というか変なこと(防御力がそんな高くしてないこととか)をしなければよかったのでは?
まぁ碧の怒りの矛先が地に向いていたからそれがなくとも碧をとめることはできなかっただろう。
とにかく、彼の担当である【四天王の凱旋】は最後にすることとなった
「ということはあたいらからってわけね」
「でも武器と防具はどうすればいいのですか?」
碧にすら武器、防具を規定したのであれば、彼女らにも同じことをしなければならないだろう。
それまで使ってきた武器、防具は使用できないとなれば、クエストに有効な物を準備しなければならない。
「えーえー…えー………………防具なし?」
さすがの地もそこまで頭が回らない。新天地にあわせた防具を、それも女性用の物は全く持ち合わせていなかった。
一応素材は十二分に持っているらしいが、何を組み合わせたらよいのか、あと見た目が変にならないようにするかなど考えてたらわけがわからなくなってしまった
それ故に結論が防具なしとなったわけだが…
「よーしお前ら、コイツの処刑方法を考えろ。俺がやる。その前に俺がぶった切る」
「やめーいwwww」
そんな答えをだす地に容赦しない人がいるわけで。どう処刑するか彼女達が言う前に、碧は個人的に執行しようとしていた。その顔はもはや悪魔そのもの。
これ以上暴力は受けたくないので、真面目に考える事にした。
「武器はまぁいいや、防具は…あーもうやだ!炎!見た目だけ元の世界のまんまにできないか!?」
彼自身の知識から武器についてはどれにするかある程度は決まっている。ただ防具だけはどうにもならない。ならば装備はしているものの、見た目を元の世界と同一にできないかと炎に聞いてみた。まぁ無理だろうと思っていたらしいが…
「できる」
「えっえっ」
まさかの可能であった。そうと決まれば話は別だ。
「んじゃ防具は適当なものでもええわけやな!よーし!あとは武器武器…」
「そういえばこのクエストってどういう感じなのかしら」
さっきから装備関係のことばかりで、肝心のクエスト内容についてほとんど触れていない。その詳細について霊華が問う。
【終焉を喰らう者】
闘技場でイビルジョー、ティガレックス、ナルガクルガを狩猟する
過去にはユクモ村に来たハンターがクリアした事が残っている。これもまた闘技場が違うとかなんとか…
とりあえず地は各モンスターの特徴をおおざっぱだが的確に説明する。それを聞いた霊華は
「私の武器だと属性の効きがあまりよくないわけね…」
そう答えた。彼女の持つ武器は水属性を持つ。しかし三体共に水属性は有効とはいいがたい。
共通して効くとされるのは…雷。時点では龍が有力か
属性があまり意味をなさないのであれば変えるべきであるが…
「まぁいいんじゃね?うん。それ似合ってると思うし効率がどうこうじゃないから」
地は特に変える必要はないと告げた。
「そうね、わかったわ」
「で、あたいらはどうなるんだい?」
霊華の武器は決まったが、残妖と冥花の武器はまだ決まっていない。
彼女達が使う武器種は太刀。特に思いいれのある武器はないため適当なものを選ぶわけだが…
「えーっと、冥花は決まってる。残妖はー…えー、日本刀みたいな形して雷属性の武器なんてあるわけがー………あ。ちょっと作ってくる」
どれにするか決めた地は、素材を持ってどっかへいってしまった。相変わらず行動力の早い事
「それにしてもいつあんな素材を…」
すぐに何かを作る事ができるほど素材を持ち合わせている地だが、それをいつ調達しているのかが謎につつまれている。普段の時間に様々なモンスターを狩猟しているところを見ていない残妖は不思議に思っていた。実際のところ、深夜の間に一人でふらっと狩りに出かけているため彼女達が気づいていないだけである。碧と炎はその事を知っている上に、彼らもそれをしていたりする
「よーし、できたでー」
「早っ」
とかしているうちに地は帰ってきた。いくらなんでも早すぎであろうか
彼が持っている武器は2つ。
一つはジンオウガ素材から作成できる太刀、王牙刀【伏雷】
もう一つは斬破刀から強化する事で作成できる太刀、鬼哭斬破刀・真打
どちらも強力な雷属性太刀となっている。
「伏雷が冥花、斬破刀が残妖。これでいいよな?満足だよな?」
割とどうでもいいのだが、スペック上では鬼哭斬破刀・真打は伏雷の下位互換に近い存在である。無論そのことは言っていないのだが。
「問題ないわ」
「すごい刀ですね…これなら!」
「よーしよし。んじゃあとは準備してGOだ」
太刀を受け取り、アイテムを確認する。3体狩猟となれば、必要なアイテムも多くなる。だがポーチに制限がある以上、ある程度妥協しなければなるまい
とはいえ、本来一人で行くクエストを3人でいけるのだからある程度分担が可能となる。
「あたいはエリアルだし、もしものための強走薬を持ってくよ。」
「私は…うーん、何がいるのかなぁ…笛?」
「罠とか一応持っていくべきよ。私は片手剣だから粉塵とか色々必要ね。ポーチに入りきるかしら…」
それぞれスタイルが異なるため、必要となるアイテムも変化する。もっとも、回復薬とかそこらへんは共通に必要なものではあるのだが…
なお、そのアイテムは全て地の負担となっている。碧や炎は一切サポートしない…というより意地でも地だけにさせようとしているというか。
必要なアイテムを入れ、武器を背負い、クエスト準備を完了させる
終焉を喰らう者、クエスト開始