投稿が遅れました。本当に申し訳ないです。本当にすみません。。
本の中の旅人達
第二話 始まりの始まり
メルナからの突然の振りに、驚きとはまた別の感情を浮かべるキリトら
はぁ、まぁ仕方ないもんな...大胆団だからな...はぁぁ。
「んっ?どうしたのキリト君、チャチャっと決めてよ」
「あっすみません、少し迷ってて」
そう言いながら、メリナから折りたたみ式のテーブルの上の地図に目を移すキリト。
の地図は昔から使われているようで、至る所にシミがあり元々は長方形だったのだろうか、角らしきものの跡が一箇所だけあるが、後はビリビリに破け円状になっている。
ただ文字や絵などが書かれている箇所は破れたりシミになったりしておらず、後の箇所を切れば新品同様に見えるくらいだ。
「早く決めろよ...」
その地図を見ていると、突然背後から冷たい声が...振り向いてみると冷たい目をしたジェームズが立っている。
「すっすみません」
「やめろよぉ〜ジェームズ!まぁどこでも良いんだぜ坊主、普段もテキトーに決めてるから。」
キリトはアキスケの言葉を聞いた途端、灰のように積もっていた不安が一瞬にして吹き飛ばされた。
そして、キリトは『ドンッ』と言う鈍い音と共に勢いよく地図を指で叩きつけた。
「イッ、イッテェー!」
「おぉ!勢いだけは良いわねキリト君!」
「そうだな、メリナの言う通りだ。坊主、お前が指差したところ雪山だぞ。」
雪山といえばこの旧砂漠から何十キロも離れたところに位置している。
普通の人だったら旧砂漠からなんてまず行くことはないだろう。
「よしっ!坊主、出発の準備を始めろ!」
「ワクワクするわ〜!」
「雪山か......」
そう言いながらメリナたちは、二台の荷車に荷物を積み始める。
一台の荷車には、食器や調理道具そして、木箱やバスケットの中に入っているぎゅうぎゅうに詰め込まれた食材達が積まれている。
もう一台の荷車には、大きな木箱や、包装紙のドレスを見に纏った額縁などが、乱雑に置かれている。
「ほっ本当に行くんですか?」
キリトのこの言葉に『お前は何を言っているんだ?』と言うような目で見るアキスケ。
「行くに決まってるだろ坊主。俺たちは大胆団だぜそれにモットーは、」
「行くわよキリト君それと、アキスケ!」
アキスケの言いかけた言葉は、メリナの大音響のスピーカーみたいな声にかき消される。
「ハイハイ今行くよ。メリナ」
「あっそうだ!これを置かなくちゃな。」
そう言ってアキスケはポケットから旗のようなものを取り出す。
「これって何ですか?」
「旗だぜ。坊主俺たちがここにきた印だ。」
そう言ってアキスケは旧砂漠の太陽に照らされた砂に旗を立てる。
その旗には、大胆団と記されている。
「早く来ないと置いてくわよ〜!」
熱砂に四人の旅人の影が映し出される。旅はまだ始まったばかりだーー。