第46話 一瞬
〜エリア11〜
「動きが全然違う!」
「くそっ地上と段違いだ」
ぽんd…じゃなくて、ロアルドロスは水中になると本性をだすというかなんというか…
地上では何一つ苦戦する事ない者でも、水中となるとそうはいかない。
こっちには不利な条件が、相手には有利な条件が加算される
「ピェエエ!!」
「っ?!」
ロアルドロスは突進で涙那に襲い掛かる。咄嗟の事に体が反応遅れたためか、もろではないが突進を受けてしまった
「涙那!ちぃっ、こいつは読めん…!」
「だ、大丈夫です…まだなんとか…っ?!」
涙那は忘れていた。ここは水中、息をすることはできない
一撃を喰らえば、その分水中でいられる時間は減少する。酸素の湧き出るポイントにいくか、水面まで上がるしかない。
(誰ですか、ならしゃべるなっていったのは。)
「ピェエ!」
「ちぃっ!」
涙那が危ない状況であることをロアルドロスが見逃すわけがない。再び彼女に突進を仕掛ける。
そうはさせるかと、師条はBLAZEが作成した狂竜ウイルス圧縮薬を噛み砕き、己の体を活性化させる。
―全身の感覚が変化する
今まで感じていたモノとは違う。
海流の流れ、相手の速度、位置、予測されるルート…それらをまとめて一瞬で読み取る。
そして突進に合わせ、
パシュッ!!!
矢を放つ。威力が落ちない限界のところでロアルドロスの頭にヒットさせた
「ギャォオ?!!」
矢ははじかれる事なく、一点に刺さった。正面衝突に似たぶつかり方故に、受けるダメージは通常より大きい。
涙那に当たる前にロアルドロスは止まった。まだもがいている。チャンスは今しかない
「もう少しだけ耐えてよ…!」
水面に上がる限界まで、涙那はロアルドロスをきりつける。狙う部位は弱点のたてがみだ。
「貫く!」
師条は放つ弓を貫通弓に変更する。狙う部位は…
バシュンッ!!
「ギャオオ!!!!」
尻尾だった。頭付近には涙那がいるため危ないと判断した。そのため尻尾に矢を打ち抜く。
たてがみを集中攻撃していた涙那は、ポンデ自慢のたてがみを部位破壊したところで水面へ上がっていった。ロアルドロスは身の危険を感じたのか、そのエリアから逃げ出していった
とりあえずは一件落着というところだろうか。
「って、俺も酸素足りん…」
師条もとりあえず水面を目指す。
〜エリア10〜
ひとまずエリア10に逃げてきたロアルドロス。
しかしその逃げた目の前にいたのは…
「なんだ?もうここまでできるようになったのか。十分だな。くくっ」
「えー…もうこんなに上達したのですか…すごいですね、あのお二人さん」
美兎と…BLAZEだ。よりによって逃げた先に最悪の者と出会ってしまった
その後、海にはロアルドロスの残骸が浮かんでいたとの報告があったとか…
そういえばMHXには狂竜身とかいう、狂竜病感染状態にする薬があるとかなんとか
…BLAZEが先に似たようなものを作り、師条が使っていたわけになるのか