Re: モンハン小説 6代目( No.37 )
  • 日時: 2018/03/18 20:05
  • 名前: into (ID: laq8P6nP)

誰だと思う?私です。
誠にLong time no see
数々のTRPGのセッション(1回)と、もろもろの創作活動の中で成長できたんじゃないかなって。
まぁワールドではない()。...色んなタイトル跨ぐんでないとは言い切れませんが。

相変わらずの英語要素。
以上。
よし、始めるか。

第1話 「虚栄」

一陣の風が吹いた。生命の息吹とも言えよう。生き物の温もりを含んだ風だった。
「悪くないな!こう...ソロってのも」
少々弱気な声で虚空に語りかけた。
あまりにもしょぼくれた声なもんで、風にかき消されてしまった。
「ふ...ふふ、俺の、この双剣なら...神獣だって...」
言いながら虚しくなってきた。
俺のチキンハートはマジでチキンハートだった。思い知らされた。まだ対面すらしてないのに。
パーティで行っている時はこれ程緊張しなかったのに...。
「はぁ...行くか。」
足どりもままならぬまま、戦場へと。
何度も小型モンスターに体を震わしながら。

影が頭上を過った。
「っ!き、来やがったな!」
影はそのまま少し進むと、次第に風をともなない大きくなっていった。
「レウスごときに、遅れをとる俺じゃなぃ、ぞっ!」
ダメだ。もう完全に。
もう抜刀することもできないだろう。
着地したレウスも、おどおどした彼の様子を見て、完全に拍子抜けしてしまった。
のっそり重厚な足音を立てて、近づく。
「うっ...だ、誰か...」
王の顔が、牙を剥き...刺した。
鎧の軋む音と、激しい出血の耳障りな音が鳴った。
「ぐっ...いてェっ...!」
体は少しだけ動き、急所は外れた。
しかし、そのまま体が横に。
王の喉が鳴る。飢えた獣の音だ。
その口が再び開き...
「くっ...クソがァァァァ!」
その時、俺の中で何かが吹っ切れた。
そして気づけば、俺は奴の目を抉っていた。
「グォォ!」
「はっ、はっはぁ...畜生...畜生...!やってやる!やってやるよ!」
奇襲にたじろぐレウス。
「うぉおお!」
片方の腕で小柄な剣を降り下ろす。
再び顔面に命中。
その反動で体が浮いた。
「うぉあっ!」
二撃目は流石に怯まず、浮いた彼を翼で打ち落とそうとする。
が、しかし体制的に遠心力がかかり、奇跡的に翼の一線を避けた。
そしてレウスの背へ。
「お、おっ?ラ、ラッキー!」
抵抗するレウスになんとかしがみつく。
「ガァァア!グオァ!」
「う、うおおお!」
しばらく無我夢中でレウスの甲殻にしがみついていると、暴れまくって目が回ったのか、動きが収まった。
「よ、よし!今のうちに!」
まず潰すべきは...感覚の集中する顔!
思い切って胴体を這い、顔へと向かう。
そして手にもった剣で、刺す。
先程傷付けた目に再び一撃。
「ガァァアアア!!」
いっそう苦しそうに呻く。
そしてこれでもかと体を振り回す。
しがみつく手を失った彼は放物線を描き地へ投げ出された。
怒り狂いレウスは火を吐き散らした。
しかしその後片方の目を潰され混乱したのか、探るように動くと飛んで逃げてしまった。
「う...っててて...ん?」
「あれ...居ない、に、逃げた?」
唐突に安堵感が沸いた。
「へへ、どうだ、見たか!こ、このっヘタレウスがァ!」
しかし傷は深くそのまま彼はギルドに搬送されたという。

あ、タイトルをば
片腕剣士-Handless Sword-

腕治らないパターンじゃんとか言ってはいけない。
このヘタレくんが成長していく様を見届けて頂きたい。

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