- 日時: 2016/04/26 00:04
- 名前: あきんぶ (ID: .e0azQV0)
イギーがこれではただの変態になる、そう危惧した私は再び筆をとる事にした。私視点ではあるがどうか読んで頂きたい。
――真実を
その日は春麗とても気分が良かった、こんな日にモンハンが出来る私は幸せものなのだろう。
コンビニでスナック菓子を買い貯め私が先頭に立ち普段より足早に向かう、 何故なら懐にある信州産りんごの存在を後ろの彼らに気付かれたくない為だ。 この林檎はイギーにツッコまれる事により、真の信州産りんごとなるのだ、その事に前日からワクワクしながら眠りにつき今に至る。
急いだ割には予定通りの時間に到着、イギーの出迎えを待った。
ここでイキナリ林檎を齧ろうか、どのタイミングがベストツッコまれなのか未だに決まらない事に焦りを感じていた。
彼はブリーフを被っていた。
人間、理解の及ばない出来事に直面すると何も出来ないらしい、現に私はそうだった。
しかし、こっちにも前日から温めていた林檎のプライドがある、目の前のブリーフにたじろぎながらも林檎に手がかかった
いや待て、私はこのブリーフに何と言わせるつもりなんだ?
「青森産じゃねーのかよ」これか?
はは、この次に私の口から出る言葉は決まってる、ごめんなさい、だ。
恐らく空気は更に最悪な物になるだろう、現時点で最悪なのだから。
後悔あとにたたず、林檎に固執しすぎたせいで「なんでブリーフ被ってんだよ!!」この言葉を言う間を完全に逃してしまった。笑いとは間なのだ。
数十秒の沈黙の後、我々は席についた。
彼は本当に気の効かせ方がイケメンそのもので我々に皿うどんを振る舞ってくれた、美味とは正にこの皿うどんを指す言葉なのだろう、美味い物を食べると顔が上を向く、その流れの中横目でイギーを見た。
トランクスが顔面を覆っていた。
幸か不幸か皆はまだ気づいていない、せめて食後まで待って頂きたい、食べたらツッコむと腹を決めた。
食後のコーヒーを頂いて、よし!と意気込んだ刹那イギーの会話が小さく耳に入った。
「水着の次に被るやつがない!!落としどころが大事なのに!ちゃんと準備したハズなのに!何でなの!?ボケるなって事なの!?」
なんでかなあ、胸を撃たれた?そう、まさにそんな気持ちがこみ上げて来たんです。 彼はいつもツッコミでしたから、自分もボケたかったのかなって、もっとのびのびさせようって、今思えばトランクスにトランスしてるここが最高のツッコミ所だったのは明らかでした。ボケはツッコミがあって初めて成立するんですもんね……この事が今でも1番後悔しています。
彼は終始見え辛そうに、それに比例する様に乙を重ねて行きました、それがまた私にはとても辛かったです。
他の皆はこの時どんな気持ちでいたのか私には分かりません。
すっかり林檎の事など忘れ、しばらく狩りをし、日が傾いてきた頃誰かが帰ろうと言ったのを覚えています。
正直ホッとしてしまった自分がいました、身支度を済ませ玄関に向かう途中から彼の表情が曇っていたのは分かりました、怒り、焦り、期待外れ、それらが入り混じった様な。
「――なんでだよ」このセリフが未だ耳から離れません、この問いかけに答えを出してしまったら傷つくのはイギーなのでしょうから。
ずっと懐にあった信州産りんご、この忘れていた信州産りんご、元はと言えば林檎が無かったら起こりえない事でした、しかしこの信州産りんごによって一気に場は好転をむかえます。
「青森産じゃねーのかよ」
――本来あるべき所、あるべき姿、誰にだって帰る場所はあるのだと痛感させられた今回の出来事、反面教師として後世に伝えていける立派な人間に成長させていただきました、
本当にありがとうございました!!Special Thanks!!!
親愛なるイギーへ捧ぐ |